三楽の仕事日記
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2011年09月29日(木) 名古屋柳城短期大学で講義

 朝刊で今日の運勢を見る。「フィルムも入れずピントも合わせず写真はとれない。素材と調整よくして大吉」。夕刻の大学での講義を予知しているのか。学生さんに合わせて柔軟に進行せよ、ということだと解釈して出勤。

 午前中は海部地域連絡調整会議に出席。海部総合庁舎に入っている部局長(県民センター、農林水産事務所、建設事務所、西尾張県税事務所、福祉相談センター、保健所、教育事務所など)による情報交換会。情報提供の材料にいつも困る会議で、今回は教科書採択の話題を10分間。

 午後は課長と佐屋公民館へ。海部地区4者合同研修会に来賓として出席。社会教育主事さん方の集まりと聞いたので、挨拶では「愛知の教育アクションプラン2」から生涯学習の章を取り上げる。地元の話題で恐縮ですが、と断りを入れて、「味岡児童館をつくる会」で、中学生から高齢者まで幅広い層で話し合っている様子を紹介。「これも立派な生涯学習だと思います」としめる。

 事務所へ戻って、重要な打ち合わせをして、名古屋柳城短期大学へ向かう。門を入り事務所へ向かう。すれ違うすべての学生さんから「こんにちは」と挨拶を受けた。感激より驚き。いくつかの大学を訪問したが、このように進んで挨拶をする学生さんたちは初めて。自分が学生の時には、とてもじゃないが、このような挨拶はできなかった。

 16時30分から18時まで、「かかわる人から信頼される 大人になるために」と題した講義。受講者は2年生全員で230名ほど。教室最後列までぎっしり。これだけ多くの学生を18時まで引き付けて講義ができるだろうかと不安なスタート。今日の運勢を思い出す。柔軟に、柔軟に。

 教授が講師紹介で、落語のことに触れていただいたので、つかみを小噺に急遽変更して、いつもの「つるの恩返し」を。うむ、今一歩の受け。しかたがない。さっそく「信頼される人の条件」から話し始める。

 多くの人が言っています。「素直」であることが大切です。では「素直」とはどういうことでしょうか。あなたが考える「素直」を書いてみてください。

 皆さん、スラスラ書いてくれる。5人に発表してもらい、他の学生さんとのつなぎをしながら、徐々に講義のペースをつかむ。広辞苑での「素直」を紹介した上で、20歳前のあなた方には「素直であるとは、まず相手の話に耳を傾けることだ」と伝える。

 一人の学生に前に出てもらい、「私の話に耳を傾けている様子が分かるようにしてみてください」と指示し、適当に話し始める。僕の指示に応えて、一生懸命演技をしてくれる学生さん。
 「さて、この人はどのような工夫をしていたでしょう」と、他の学生を何人か指名。できるかぎり全員を巻き込んでいくように試みる。

 15分ほどで、こちらに視線が集まっていること、頷きながら聞く学生さんの姿もあちこちで見ることができるようになった。僕との関係づくりはできたという手ごたえ。あとは学生さんとのやりとりを楽しみながら、時折、脱線話も入れて、次のように展開。

・ 聴き方のポイント(なるほど!は魔法の言葉、復唱法)
・ 挨拶の意味と根本(お早うの意味は?、いただきますは?など)
・ ABCDの原則、当たり前を重ねると特別になる
・ 木は光をあびて育つ、人は言葉をあびて育つ
・ 〇つけ法(個別評価と褒め言葉)
・ 褒め言葉を書こう、集めよう
・ 長所伸展法のイメージ

 考えさせたり、書かせたり、発表させたり、動作化させたり、隣と情報交換させたり、映像を見させたりと、様々な手法を駆使。

 半年後には、ほとんどの学生さんが保育園や幼稚園に就職することを意識して、時折、良い先生となるための条件を織り込みながら進行。

 つかみの小噺では、笑いのトーンがあんなに低かった教室が、弾けるような笑いが生まれる教室に変貌。考えるべきところではしっかりと考え、聞くべきところではしっかりと聞き、笑うべきところでは笑うという、申し分のない聞き手を前にした1時間30分。ああ、楽しかった。最後は割れんばかりの拍手もいただいた。(やっと終わったという喜びの拍手?)。こういう機会を与えていただいた大学の先生方に感謝。
 


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