三楽の仕事日記
DiaryINDEXpastwill


2008年12月12日(金) 文科省で会議

 午前10時からの文科省での会議に出席。「教育の情報化に関する手引」検討会のワーキングループリーダーで、原稿の進捗状況を確認しながら、今後の執筆内容を調整。いくつかの課題について協議。

 午後からは時間休をとって、いわゆるもう一つの仕事(笑)で、国立演芸場へ。今後、小牧落語を聴く会にお呼びしたい落語家さん探し。今日は残念ながら成果なし。

 往復の車中で「教育再生の迷走」(苅谷剛彦著、筑摩書房)を読む。この本は筑摩書房のweb誌「Webちくま」に掲載されていた苅谷さんの過去(2006.12〜2007.12)の連載「この国の教育にいま、起こっていること」をもとに、2008.8の時点でコメントが追加され、それが1冊にまとめられた本だ。その時々で、苅谷さんらしい厳しい目で、主に教育再生会議審議の裏読みがされていて、僕のように何事も素直に受け取る人間にとっては、そうだったのかと妙に感心することが多い。そして、苅谷さんのその時点での心配事が、現実になってきて、僕のような鈍感な人間でも、この先、本当にどうなってしまうのだろうかと思う。確かに苅谷さんの言うように「欲張りすぎる日本の教育」がさらに進みつつある。

 文科省は過去の反省に基づいて、新学習指導要領の周知徹底のために、Webサイトに学習指導要領のQ&Aを掲載するなど、これまでにない取組がされていて、今の立場としては、とっても好感が持てる。しかし、学校管理職の中には、「一人一人に学習指導要領が届いた。Q&Aも手に入るようになった。ALTさんが小学校外国語活動を理解するための指導要領の英訳まで出されている。文科省や教委の意欲的な取組はよく分かる。が、さて、今でも飽和状態の中で、どうしていったらよいのか」という気持ちの方も多いのではないだろうか。大手の教育産業は、子どもたちや保護者に「新学習指導要領に対応できますか。子どもたちはますます忙しくなります」と呼びかけて、「学習内容が増えても学び残しはゼロ」というキャッチフレーズでCMを流す。意図はよく分かるが、新たに始まる教育に夢ではなく、不安だけを感じさせる情報提供はちょっとね。「対応するのは教師なんだよ」とTVにつっこむ。


2007年12月12日(水) クラウンを生業とする方の話
2006年12月12日(火) 川崎でGC実践
2005年12月12日(月) 生徒会執行部から意見を聞く
2004年12月12日(日) 忙しい日曜日
2003年12月12日(金) 授業のリズム