三楽の仕事日記
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2008年02月02日(土) |
新算数教育研究大会に参加 |
朝、5時30分起き。身支度をして、大阪教育大学附属池田小学校へ向かう。久しぶりの新算数教育研究大会への参加。この大会は、著名な大学の先生方が特別授業をやられることで有名だ。今回も数学的な考え方の大御所である片桐先生をはじめ、豪華ラインナップ。皆さん、どなたの授業を見ようかと迷われることだろう。
僕のお目当ては、志水廣先生の「飛び込み授業」。そして今回は特別講演も!なんと桂小米朝氏が登場。「落語と算数」について語る?というのだ。講演は、ほんまかいなという気持ちも少々。
ネットによると参加者は1000人を超えているとのこと。早めに5年生の公開教室に入って、授業を一番よく見ることができる位置を確保。担任の先生と子どもたちの様子を見る。う〜む、重たい感じ。
志水先生登場。いつもの笑顔で子どもたちに話しかける。声が小さい子どもが多く、返事の練習に入る。きっと想定外。「返事だけでエネルギー使っちゃうね」とポツリ。ここで、僕の興味は、授業はもちろんだが、志水先生の学習集団指導言にも広がり、メモの対象へ。以下、そのメモ。
「遅い、遅い。もっと早く」 「書くのは、今は、おいとけ」 「君ら、正解を出さないと苦しいと思う人なんやな」 「線、入れ。大事なとこなんやから」 「記録しておかな。先生の言うこと聞かんとあかん。隣をカンニングしたらいい。」 「数学を勉強するには、美しさも必要なんだよ」 「○もらった人は、よく観察しておきなさい。何か聞くからな」 「初めて○もらった?○って、どんな感じ?こんなん聞いたの、初めてや」 「もうちょっと、にこやかに言おか」 「君ら、心から拍手しているか」 「あの中で一番大事なことは、何や」 「そういうことが大事や」 「自分の意見がいいたいのは分かった。それより、彼の意見が言えるかということだ。リピートできるかということだ」
聡明な子どもたちばかりだが、頭の中だけで反応しているので、それを外化すること、そして、それらがかかわりあうことが大切なんだよと、子どもたちにはもちろん、参観者にもしっかり思いを伝えながら、徐々に数学の舞台を広げ、上げていく授業力!
圧巻だったのは、ある子どもが間違いを言ったとき。 「なんで、8と思った?」 「間違って、面の数をかぞえてしまった」 「なるほど。8は面の数や。長方形の面の数は8」 と板書された。 思わず「うまいっ!」と声が出た。間違えた理由を聞かれたことをびっくり。板書されたことにびっくり。考えてみれば、それは、子どもたちが課題を深く追究していくための貴重な情報(布石、種まき)なのだ!普通の教師なら、わざわざ間違えた理由なんて聞かない。外化させようなんてしない。それは、授業がトンでもないところにぶれるかもしれないからだ。こうしたことをさりげなくされるのは、まさに志水先生が言われる「愛のある授業」の一端だ。ご著書の「愛で育てる算数数学の授業」では、次のような記述がある。(p16)
子どもに外化させない授業は、「愛」のある授業とは言えない。もし子どもが外化しない場合は、自信をつけさせて、表現させるようにすることだ。表現しても正解ではないことがある。その場合、当面の答えと合っていても合っていなくても、なるほどと受け止めてうなずくことだ。ここから教師と子どもとの信頼関係が生まれ安心した教師の空気が作り出される。
子どもに外化を求めることは、本当にきついことである。教師が徹底的に付き合うという気持ちがなければ安易に求めることはできない。なぜなら、求めたときには、正答も誤答も出てくるからである。正答の場合は、「いいね」と認めることができる。誤答の場合は、原因までさかのぼり、修正する必要がある。瞬時の判断力とエネルギーのいることだ。だから、「愛」のたりない教師は、授業が既定路線からはみ出るのを怖がるのである。 志水先生と子どもたちのおかげで、とっても充実した時間を過ごさせてもらった。久々に研究会に参加して良かった。やはり、動いてみることだ。
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期待した桂小米朝の特別講演会は、やはり落語そのものだった。会に即した少々の前振りがあって、「子ほめ」。そのあと、笑福亭銀瓶の「宿題」。この噺が聞けたのは収穫だった。そして、超軽めの「壺算」。これはこれで満足。
それにしても、それにしてもだ。会場のマナーの悪さに辟易。小米朝師匠に向けて、会場では、カメラ付き携帯が乱立したのだ!(僕は教室でのライブ中継で知る)噺をしている小米朝師匠が、思わず止めに入った。全国から集まった学ぼうという意欲のある教員集団が、これ?高座に向けてカメラ携帯を向ける人なんて。信じられない。非常識にも程がある。
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帰宅して、今日の授業を思い出しながら、「愛で育てる算数数学の授業」に目を通す。何度目かの感動をもらう。志水先生のホームページを見たら、今日の研究会のことが書かれていた。僕の発言を取り上げていただいた。さらにハッピーな気持ちで、横になる。
2007年02月02日(金) 落語からまなぶエコライフの準備も始める 2006年02月02日(木) 福祉懇談会に参加 2005年02月02日(水) スキーの生活終了 2004年02月02日(月) 怒→? 2003年02月02日(日) 原稿書きに追われながらも、うれしい1日
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