...ねね

 

 全てフィクションです

【DRESS】 - 2003年04月22日(火)

「母さん、あのさ」
朝食の準備が終わろうとしている母の傍へ行って話しかけた。
今日は学校を休みたいと思ったからだ。

「あのさ、今日学校・・・」
「なーに?サチ。早く仕度しないと遅れちゃうよ!
 あ、瑤子と由希はもう着替えてた?ご飯出来たよって呼んで来て?」

・・・言い逃してしまった。
仕方なくとぼとぼと2階に上がり由希と瑤子を呼びに行った。
二人はもう学校へ行く仕度は出来ていて、
階下へ降りようとしていた所だった。
やっぱり僕は情けなさそうな顔をしていたんだろうか。
二人とも顔を合わせるなり
「兄ちゃん、今日は大丈夫?」
「急に頭が痛くなったことにしたら?」
とズル休みを勧められて「いや、言い出せなくて・・・」とは言ったが
よく考えると今日だけの問題じゃない。
今日休んだって明日がある。
一週間や10日休んで済む事じゃない。
いつかは行かなくちゃいけないんだ。

「じゃあ私が言ってあげる!」と由希が走っていきそうだったので
僕は「いいんだ。行くよ」と言って部屋を出、
そのまま朝食をとらずに学校へ向かう事にした。


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