...ねね

 

 全てフィクションです

【DRESS】 - 2003年02月21日(金)

な、なんて言い訳しよう・・・
と思いながら瑤子を見ると、その時瑤子が口を開きかけていた。
とっさにワー!と言おうとしたが・・・
「あのねママ」
自分の瞳孔が開いた気がした。
見開いた目で多分僕は凄い顔で瑤子を見ていたと思う。
「あのね、ママ。プロレスごっこしてた」
・・・ぇ
「そうなの?もう、あんまり家の中で暴れないでよ二人とも」
「はーい」

ほんとにもうっと一人ごちながら、母さんは下に降りていった。
変な格好で絡み合った僕と妹が残された。
しばらく、母さんが下にたどり着く頃までそのままじっとしていた。
瑤子がニッと笑って僕を押しのけた。
「どいてよ。もー」

・・・・・

「兄ちゃんって、女装趣味の変な人だったんだ」
「あの、他の人には内緒って事に・・・してくれる?」

僕は妹二人に向かって正座していた。
小さい僕がますます小さく見えたに違いない。
瑤子は、更に由希まで連れてきてしまったのだ。
「どうしようかー由希」
「どうしようねー姉ちゃん」
ニヤニヤ笑いながら僕を見ている二人。
ますます萎縮する僕。

「勝手にクロゼット開けたりしたのは悪かったよ。ごめん。
 でも女の子の服って可愛いから好きなだけなんだ。
 小さい頃母親に着せられてたから、それで」

幼少の頃の自分と母親の事を説明すると、
瑤子は暫らく考えた後にこう言った。
「あのね、じゃあね、こうしよう。
 私達がいる時に着せ替えごっこしよう。
 私だって勝手にタンス開けられるのとかイヤだしさぁ。
 こそこそやってないで一緒にしよ」

その提案は意外に思ったが、これからも服に触れる事が出来るなら
それでもいいと思った。
由希はちょっとだけ「えー」と小声で呟いていたが。


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