全てフィクションです 【DRESS】 - 2003年02月22日(土)そういうわけで、 僕たち兄弟は秘密のファッションショーを開く事になった。 両親が出掛けている時や、夕食が終わって自室に引っ込んだ後など 3人で瑤子の部屋に集まり次々と洋服に袖を通した。 時には母さんのスーツを黙って持ち出したりもした。 最初は「えー」などと言っていた由希も なかなかノリも良く付き合ってくれた。 ある時は由希が自分のTシャツやスカートを僕に着せて 「パツパツ!」 と言って大笑いしたりした。 そしてお小遣いを貰うと、僕たちは街まで出掛けていって見て周り 瑤子や由希の服を色々悩んで買ったりするのが楽しくなった。 妹に服を買ってあげる優しいお兄ちゃん、と両親に褒められた事があるけど 瑤子に買った服は僕だって着ることになるんだ。 男の服なんて地味な物ばっかりだ。 だから自分の服なんか選ぶ気にもならない。 少しでも華やかな服にしたいと思っても中々売っていない。 大抵地味かサイケかどっちかだ。 少女の服はどうしてこんなに奇麗で可愛くて 様々なバリエーションがあるんだろう。 ああ素敵だ。 とても楽しい。 世の中の少女達はこんな楽しい事を共有していたのか。 どうしてズボンもスカートも着ても許される女の子と違い 男はこんな狭い選択肢しかないのか不思議だ。 スコットランドじゃバグパイプを持ったオッサン達が 揃ってミニスカートをはいているというのに。 -
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