...ねね

 

 全てフィクションです

【父との秘密】ナンパ? - 2002年07月14日(日)

「中学生かと思ったよ」
彼のその言葉に、ヤバイ!とドキドキしながらも
勤めて冷静になろうと努力した。
あたしの笑顔が固まっていると彼はにっこり笑って言った。
「いや、可愛いからさ。気を悪くしないでね」

軽いお世辞かもしれない。
でも話してみるといい奴っぽい。
なんとなくあたしは彼が気に入った。
だけど、彼ばかり相手にしているわけにも行かず、しばらく話して他へ回った。
時々彼の方が気になってそちらを向くと、彼も見ている。
彼に見られると、あたしも更に気になった。

宴も終わりに差し掛かる頃、また彼の傍に近づくと
「電話してよ」
と、自宅の番号を渡された。
「一人暮らしだから。僕しか出ないから」

「ナンパに乗るのは事務所で禁止されてるんです」
というと、
「ナンパじゃないよ。会おうって言わないし、電話で話したいだけ」
と言って立ち上がった。
彼もあたしと話すのを気に入ったんだろうか。
どうせ後で会ってセックスでもしたいだけだろうけど
番号貰うだけならなんでもないしな、と思ってその紙切れを仕舞った。

スーツを返しに事務所へ向かう途中
先輩にその事を話すと

「あんたって、ちょろいね」

と言われた。
うん、あたしもそう思う。



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