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【父との秘密】稼ぎに行こう - 2002年07月13日(土)

コンパニオンのバイトは毎日ではない。
人手の足りない時に先輩にくっついて行くだけだったが
家賃や光熱費を払うわけでもないので遊ぶには充分だった。
それに、自分の都合で好きなときに参加できる便利なバイトだ。

せっかく家に帰ったが、またすぐに飛び出してしまったため
あたしは友達の家を訪ねた。
だけどいつも泊まっている家に向かったが、この時は誰もいないようだった。
なんとなく時間を持て余してぼーっとしていたが、
急に思い立って一緒にバイトをしている先輩に電話をした。

遊びに行かない?と言うと、先輩は
「それなら遊ぶより稼ぎに行こう」
と言った。
どうせ暇なんだし、それもいいかと考えて先輩と事務所に向かう約束をした。


その日の仕事は、ある会社の酒の席での接待だった。
若い男の人がこの日はたくさんいて、中年親父がそれ程多くなかったので
今日は楽だな、と思いながら働いていた。
若いグループを接待していると、突然あたしを抱き寄せる腕があった。
まあそんな事も珍しくないので笑顔を作って振り向くと
そこには少年のような少女のような
どちらかと言えば可愛らしい顔立ちの男の人がいた。

まだ高校生くらいに見えるけど、会社の社員なんだから大人なのかもしれない。
髪が頬にかかるくらい長くて体も華奢だ。
そして女のあたしよりも優しい雰囲気と柔らかい物腰の人だった。
話し方も、どちらかと言えば女らしい柔らかな感じがする。

「きみ、本当はいくつ?」

いきなりそう聞かれて、あたしは慌てて
「じゅ、18です」
と答えた。
彼は、ふぅんと言ってちょっと笑った。



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