...ねね

 

 全てフィクションです

【父との秘密】慣れたふりしないと - 2002年06月29日(土)

皆が散り散りに帰りだした頃
あたしはその男と一緒にその部屋を出た。
そして男の家について行った。

道中、男は馴れ馴れしく肩を抱いたり腰を抱いたりする。
あたしは顔は笑っていたが気分は悪かった。
さっさとこの男に抱かれて、妊娠の相手をこの人にしてしまおう。
彼には罪は無いけどあたしだって必死なんだ。
もし誰とも寝ていないのに妊娠が発覚したら、
あたしは父との関係を言わなければならない。

冷静になって考えれば
もし妊娠していたとして、
新たに別の男に抱かれたとしても、一ヶ月の狂いがある。
例えば今妊娠1ヶ月だとしたら、今この人に抱かれて孕むのなら
次に「生理が来ない」と言う時には妊娠は2ヶ月になっているだろう。
いや、普通は3ヶ月くらいにならないと気付かないものだから
もしかしたらあたしは既に3ヶ月になっていて、
この男に責任を取らせる頃には4ヶ月くらいになっているかもしれない。

騙せるだろうか

おなかは大きくならないのだろうか

あたしは罪を人に擦り付ける事の罪悪感より
自分の心配ばかりしていた。

色々な事を考えているうちに、男の家についた。

「入って」

古臭い狭いアパートの一室。
家族は今誰もいないらしい。
これから自分の身に起こることを考えて
あたしは部屋に案内されていった。



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