...ねね

 

 全てフィクションです

【父との秘密】生理が来ない - 2002年06月26日(水)

鍵が無くなってから、また父の訪問は始まった。
あたしは中学生になっていた。

そして
生理が来ない日が続いた。
生理が遅れて2、3日目
その頃には、だいたいきっちり生理の日が決まっていて
3日も遅れたことが無かったのであたしは焦っていた。
妊娠したとしたならば、相手は父に決まっている。
それ以外に居るわけが無い。


どうしよう


どうしようもない。
誰にも相談できない。
当時、中学の先輩の話の中に、
彼氏との間で妊娠してしまい、中絶費用を用意するために
友達同士でのカンパや、親に殴られながらも金の無心をしたなど
妊娠の処理についての話を耳にする事もあった。
中絶には10万円が必要らしいとも聞いていた。

あたしに10万円も用意できるわけが無い。
もしこのまま生理が来なかったら・・・
誰も頼る人がいない。誰にも言えない。
母に相談するわけにもいかない。

どうしよう。どうする?どうしたらいい?

あたしはまとまらない頭で一生懸命考える。
だけど答えなんか出てこない。
あたしは、泣きながらおなかを叩いていた。
両手のこぶしで代わる代わるにおなかを叩きながら
「たぬきみたい」
とぼそっと呟いた。



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