全てフィクションです 【父との秘密】こんなお金、いらない - 2002年06月13日(木)それから父は 普段なんでもないときにもお金を置いて行くようになった。 ある日も、あたしの部屋から 「散らかしたままだぞ!ちょっと来い!」 と言う声が聞こえてきて父の元へ行ってみると 机の上にまた1000円が乗っていた。 あたしは父の顔が見られなかった。 そういう時、父はどういう顔をしていたんだろう。 見た事がないし、想像も出来ない。 どんな風にあたしを見ていたのか。 想像・・・したくない。 実は、お金を貰っても嬉しくなかった。 母にお小遣いは貰っていたし、必要なものは買ってもらっていた。 なんといっても小学生だし、 その頃はコレクターズアイテムもなかった。 子供が遊びに行くような店も近所にはなかった。 どうせ使い道のないお金だ。 あたしの財布に千円札が入る事は普通ならまずありえないので 母からも隠さなくてはいけない。 こんなお金なら、欲しくない。 まして、このたった数千円で あたしは父に買われていたも同然だったのだから。 -
|
|