こんなに好きでもいいですか? すみれ 【MAIL】【HOME】
- 2002年08月02日(金) 今日も又・・・・・・。
今週はまだ1度しか彼に逢っていない。
火曜の深夜に少し逢っただけ・・・・。
この前の大きな喧嘩の時以来、
御互い無理して付き合うのは良くないと思っている。
家庭を持ちながら、家族以外の人間と関係を持つ事自体、
精神的にも肉体的にも酷な物だし。
何より限られた時間の中で、逢ったり話をしたり、
欲求を満たすのは限界があると思う。
解っていながら、それでも、逢わずにはいられなくて・・・
相手を求めてしまうのは、どうしてなのだろうか・・・
と日々考えてみても、気持ちが先走ってしまって答えなど見つからない。
矛盾した想いを持ちながらも、その想いをバックに無理矢理つめて
今日も私は彼に逢いに行ってしまった。
天気は快晴の今日。
ナカナカ、彼とはメッセも繋がらなかった。
朝、出勤する時に電話で少し話しただけ。
最近は片手間に私と話す事も無く、就業時間に出来るだけ仕事をこなす彼。
それは当たり前の事なのかもしれないが、
今まで相当な時間を私に費やしてくれていただけに、少し寂しくも感じる。
今シーズンはそれ程忙しくは無いとは言うが、
それでも、細々とした仕事が後から後からやってくる。
今日もこの街では花火大会があった。
誰も居なくなった会社から電話してくる彼・・・・。
今日は皆帰社してしまったので、そろそろ帰ろうか・・
と思っていたらしいが・・。
一緒に空の上で鳴り響く花火の音を聞く。
フッと窓の外に目をやると遠くで小さくスターマインが光り輝いているのが
見えた。
電話をしながら、ボッーと子供と一緒に見ている・・・・。
「帰らないの?」と聞くと「・・・・・・帰りたくない。」と言う彼。
どうやら、このまま真っ直ぐ家に帰るのは嫌らしい。
何度言っても、席を立とうとしない。
本屋によって時間を潰してから帰宅すると言う。
「たまには早く家に帰りなよ・・・・・・。」
そう口にしながら、心では
「そんなに・・・家に帰りたくないのか・・・ふ〜ん。」
と彼の心情を探る。
「寂しいの?」と私が聞くと「寂しいけど・・・・寂しくは無い・・・・・」
可笑しな言い訳が子供みたいだった。
子供の寝支度を整えると同時に彼が会社を後にする。
車に乗り込む所へ仕度を整えた私が再び電話する。
本屋へ行くまでの少しの間の時間も無駄にしたくない。
話している内に何時の間にか寝かしつけようと思っていた子供が、
腕の中でスヤスヤと寝息を立てていた。
もうすぐ同居人も帰宅する・・・・。
「逢いたいょ・・・・・」と言う彼の言葉と同時に出掛ける用意をする私。
一週間ぶりに来た麦畑はスッカリ変わってしまっていた。
先週は小麦色した畑が今日はまっさらとして
茶色の下茎しか残っていなかった。
「写真・・・・・・撮っておけば良かったね・・・・」
残念そうに言うと「来年も・・・・又来よう。」と言う彼。
「来年なんて・・・・あるのかな?」そう想いながら口にはしない・・・・。
来週、彼とイースタンリーグ戦を見に行く約束をしている。
又、月曜のデート。
同居人が持ってきたチケットはネットオークションで
300円位の値しか付いていなく、
「誰かと行ってくれば?」と快く差し出してくれた物。
でも、一緒に行く相手が彼だとは露程にも知らずに居るのだろう。
この前の喧嘩で彼に言われた。
「僕が家族と寿し屋に行ったり、焼肉を食べたり・・・。
すみれはそういうのが気に入らないの?
すみれだって・・・家族団欒しているでしょ?」
私は・・・・私の同居人の公休は月曜日・・・・。
月曜日は唯一、子供を介さないで彼とユックリ出来る日。
でも・・・・家族団欒の時間は無くなってしまう。
同居人は帰りが何時も遅いし、
子供と3人でゆっくり出来る日は月曜しか無いのだ。
私は月曜の予定をほとんど彼に費やしてきたし、
家族で焼肉をしたり遠出をする事も無かった。
この半年間ずっとそうして来た。
最近では家族団欒する事は彼への罪悪感を煽る物のようにも
感じてきてしまった。
「すみれだぁ・・・・・。」
無防備に私の腕を引き寄せる彼。
その一言で、今週・・・どれだけ私に逢いたかったか解る。
やっと逢えたね・・・・。
逢いたかったんだよ・・・。
何も言わなくても彼の気持ちがよく解る。
私も同じ気持ちだから・・・・・。
引き寄せた腕は、やがて連動して私の体をも、彼に近づける。
抱き合った体は中々離れない。
クスッと笑いながらキスをして、やがて擦れた声が聞こえてくる。
それは彼の声なのか・・・・私の声なのか・・・・もう解らない。
「すみれに逢うとね・・・何だかHになるみたい・・・・。」
暗くてよく見えなかったけれど、
そんな事を言う彼の顔をマジマジと見ると、この前短く切った髪が、
私の目にはまだ馴染んでいなかった。
「そう・・・良かったね・・・・・。」
私はそう言いながら、膝に差し出された彼の手を、
無意識のうちに払い除けた。
少し下向き加減になる彼の顔。
「ごめんごめん・・・・。」
そう言ってはみたものの、
顔は笑っていても心が笑っていない・・・。
あぁ・・・・・又、今日も余計な事を聞いてしまった。
聞かなければいいのに・・・・。
虚しくなるのは解っているのに・・・。
どうして聞いてしまうんだろう・・・・。
どうして・・・・・・・だろう・・・・・・・・。