◆素晴らしい一日 平安寿子著 文春文庫
さらりと読めるけど、それぞれの登場人物が魅力的で楽しかった。 んー、でも、強い印象もないんだよな。読み返すかどうかは”?”ってところ。
◆女たちよ! 伊丹十三著 新潮文庫
なにがキッカケかわからないけど、伊丹作品が復刻した。 父の本棚にあった「ヨーロッパ退屈日記」を、 中学生くらいから繰り返し読んでいたことを思い出し(でも母の本かも)、 今回は「女たちよ!」を手にとった。 この軽妙洒脱、といった感じの文章は、時代にとらわれない本質と、 同時にその時代の特性といったものが感じられて面白かった。 どれだけ読んでも、古臭さを感じない。力を抜いて楽しめる1冊。
◆水の舳先 玄侑宗久著 新潮文庫
「中陰の花」に引き続きこちらをお買い上げ。 「中陰の花」にも言えることだけれど、主人公の僧侶が、 常に”迷い”を持っている部分がとても共感できる。 ”悟り”とは程遠いかもしれないけれど、ある種の哲学を持った人。 不思議なことではないかもしれないけど、宗教とは寛容の一種であるはずだ。 そういう寛容の一環としての揺らぎ=迷い、みたいなものを感じた。 んー、上手く説明できないなぁ。
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