CYMA’S MURMUR

2005年03月28日(月)   読書メモ

◆素晴らしい一日
平安寿子著  文春文庫

 さらりと読めるけど、それぞれの登場人物が魅力的で楽しかった。
 んー、でも、強い印象もないんだよな。読み返すかどうかは”?”ってところ。

◆女たちよ!
伊丹十三著  新潮文庫

 なにがキッカケかわからないけど、伊丹作品が復刻した。
 父の本棚にあった「ヨーロッパ退屈日記」を、
中学生くらいから繰り返し読んでいたことを思い出し(でも母の本かも)、
今回は「女たちよ!」を手にとった。
 この軽妙洒脱、といった感じの文章は、時代にとらわれない本質と、
同時にその時代の特性といったものが感じられて面白かった。
どれだけ読んでも、古臭さを感じない。力を抜いて楽しめる1冊。


◆水の舳先
玄侑宗久著  新潮文庫

 「中陰の花」に引き続きこちらをお買い上げ。
 「中陰の花」にも言えることだけれど、主人公の僧侶が、
常に”迷い”を持っている部分がとても共感できる。
 ”悟り”とは程遠いかもしれないけれど、ある種の哲学を持った人。
不思議なことではないかもしれないけど、宗教とは寛容の一種であるはずだ。
そういう寛容の一環としての揺らぎ=迷い、みたいなものを感じた。
んー、上手く説明できないなぁ。





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