「ぼくのウルルを収穫したら、それで終わりにしましょう」 ユーキさまは笑っていたけれど、本当にそれでいいんだろうか? 畑に水を撒きながら、何度も確認したけど、答えは一緒。 私のせい…ではないですよね? 「ぼくにだって考えがあると、いったはずですよ」って言われたけど、いつも穏やか過ぎてなんだかよくわからない。
そういえばいつも穏やかなユーキさまが、今日は表情を曇らせていた。 「なにかイヤな感じがしますね」 ウマリでも冥界軍や、どことかの軍隊とかの噂でもちきりだけど。 でもお天気は良かったし、私にはよくわからない。
なにもしないよりは・・・と、ユーキさまの提案で苗に添え木をつけた。 大分育ってきた苗のひとつひとつに添え木を付け、ふと立ち尽くすユーキさまの背中を見た。 噂が噂だけならいいのだけど。 ユーキさまにとって最後の実なのに。 最後の。
だから、お願い。 本当に存在するなら。 神様!
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