嘘のように晴れている。 静かに揺れるカーテン越しにぼんやりと外を見ていた。 「そろそろ王宮に行かなくちゃ」って何度も思ったけど。 でも、行きたくなかった。 誰にも会いたくなくて。
ユーキさまは勤務の後で友人の家に寄ると言っていた。 「なるべく早く帰ってきますよ。マーナさんも仕事が終わったら真っ直ぐ帰っていてくださいね」 新しく一緒に住む人の相談だろうか? それとも、まだ何かイヤなカンジが残っているのだろうか? プリエスタでは国王選挙だと言う。 そのせい? こんな時間になってもまだ戻って来ない。
鏡を見る。 昨日、私は笑っていた? ちゃんと笑っていた? 大丈夫。明日は、きっと。
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