2015年06月17日(水) |
2万坪の土地が動いた!@羽田旭町 汚染土はどうする? |
大田区内で最後ではないか、と思われる2万389坪の土地売買(正確には信託受益権の売買)が終わった。大田区羽田旭町10番地に所在する、旧合同製鐵跡地を、所有者の鹿島建設株式会社が、三井不動産株式会社に本年2月27日、信託受益権を売買したことが登記簿から判明した。
この土地は、羽田空港に隣接し、さらに南側にはヤマト運輸の大型物流拠点のある立地である。はたして、何が出きるのか、大田区としてもおおいに興味のあるところだろう。
登記簿を見てみると、本年2月に三井住友信託銀行に所有者である鹿島建設が本件土地を信託財産として信託。同日、受益者を鹿島建設から三井不動産に変更しているのだ。
土地信託というのは、一般にはなじみが薄いが、土地所有者が信託銀行に土地を信託して、その土地の運用を任せて、信託報酬を払った残りの収益を頂く仕組みである。信託期間が終了すると、土地は信託銀行から所有者に戻ることになる。
今回は、土地の所有者はあくまで、従前の鹿島建設で変更はない。土地信託による受益者、つまり「儲けをもらう人」が三井不動産に変わったのだ。では、はたして何をこの場所に作るのか。
ヒントは、信託期間にある。登記簿によれば本件信託期間は平成27年2月27日から平成37年2月末日までとなっている。つまり、たった10年間なのである。10年たったら鹿島建設に戻る。
とすれば、10年の短期決戦で建物の償却をし、利益が出る業態ではないか、という推論が成り立つ。(まあ、10年の信託終了時に建物を鹿島建設が買い取るという仕組みも成り立つが…)私は、三井不動産の名前から「アウトレット」が出来るのではないか、と感じたのだ。
木更津や横浜など、人気アウトレットを運営しているのは、三井不動産の子会社である三井不動産商業マネージメントである。10年の短期決戦。アウトレットの建物であれば投資も少ない。大田区にとっても、人が流れてくるし、よいのではないだろうか。
ただ、問題になるのは土壌汚染である。ヤマト運輸の物流センターも荏原製作所の跡地で、土壌汚染が発覚して大変だった経緯がある。(いまだ表層部にアスベスト含有土がある、との指摘もある)
今回の場所も大規模な製鉄工場の跡地で、すでに当該土地の、鉛や六価クロム、カドミウムなどの基準値超過が囁かれている。荏原製作所跡地の時の様に、コソコソ処理せずに、堂々と事実を明らかにして、適正な処理を施して欲しいと切に望むものである。
さあ、あらたな大田区の目玉が出来るか、それとも、単なる物流拠点になってしまうのか。頼むよ!三井さん!!
(アウトレットか物流かは、あくまで、犬伏の個人的推測である)
|