2014年06月25日(水) |
なに言葉遊びやってんだよ!集団的自衛権修正案自公合意へ |
小選挙区の創価学会票が無くなることを恐れてか、安倍政権の目玉政策でもある「集団的自衛権」が大きく揺れている。ただ、国民の7割近くが「集団的自衛権行使容認」となっている今、公明党も突っ張りきれなくなったようで、「言葉遊び」で、合意にいたるようだ。
諸外国の軍隊と、日本の自衛隊の大きな違いがひとつある。
それは、諸外国(というか日本以外)では、軍隊には「やってはいけないこと」だけを法律や基準で決定して、それ以外のことは、現場指揮官が判断する点だ。
わが自衛隊はといえば、「やっていいこと」を法律で決めて、それ以外のことは「やってはいけない」ことになっている。これでは、有事に現場の自衛官が有効に働けないし、生命の危険す排除できないではないか。
今回の修正案は、集団的自衛権の行使について「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれがある」場合としていたものを、「おそれ」を「明白な危険」に変えたという、相変わらずの詭弁の修正だ。公明党への配慮以外、実務上はなんら変わりがない。
海上自衛隊の掃海艇がペルシャ湾の機雷排除に派遣されたことがあった。時の政府から「誰一人死なせないで任務を達成せよ」と命を受けた指揮官。「死者が出ないミッション(作戦)はない。万一の場合は懇ろに遺体を帰国させよう」と決意し、補給幹部に絶対秘密で棺桶を現地まで輸送させた。結果、この棺桶は使用せずに、作戦終了となったのだが、現場指揮官の決意とはこういうものだ。
本日の読売新聞に、南スーダンPKO派遣舞部隊長のコメントが載っていた。
今年1月5日の夕刻のこと。宿営地の南の方から断続的な射撃音があり、全隊員に防弾チョッキの着用、武器、弾薬の携行を命令し、正当防衛や緊急避難に該当する場合は命を守るために撃て、と命じた。(中略)午後10時頃になって命令を解除した。
パッと思い出したのは派遣前、隊員のご家族に「皆さんの大切な方を必ず無事に連れて帰る」と約束したこと。何があっても隊員を守ると、逡巡はなかった。
記者:法の関わりはどう考えたのか。国内の防衛省や陸上幕僚監部に相談したのか。
国内と調整するいとまはなかった。我々自衛官はPKO協力法と自衛隊法で自己保存型の武器使用は認められており…(後略)
世界最高基準の服務規律を維持する自衛隊、自衛官を信じて「法により禁じる行為以外は、どうか現場指揮官が適宜判断してくれ」というのが、あるべき軍隊としての自衛隊の姿だと思う。
田母神俊雄閣下が航空総隊司令官だった昔、ある地方裁判所で判決には関係ない「傍論」として自衛隊違憲と述べられたことがある。PKOに派遣されている航空自衛官への影響を問われた田母神司令官は「そんなの関係ねえ〜」と言い捨てた。
政治がくだらない議論をしていても、現場には命にかかわる危険がある。そして、国益にかかわる事態が発生する危険と隣あわせだ。自衛官は、瞬時の判断のもと、国家国民のために働いている。田母神閣下は、持ち前のユーモアで、そう語りたかったのだろう。
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