いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2013年12月12日(木) 神様への冒涜か、人権への配慮か?元女性が父

 本日の報道によれば、最高裁第三小法廷は、性同一性障害特例法により、女性から男性へ性別を変更し、女性(妻)と結婚した元女性が、妻が他人の精子により産んだ子供につき、戸籍に「父親」と記載するように命じた。

 また、9月には最高裁判所大法廷は、結婚していない両親の間に生まれた非嫡出子(婚外子)の相続格差を定めた民法の規定について、憲法違反とする決定を下した。

 この二つの最高裁判決には、必ずしも「はいそうですか」とうなずけないのだ。

 性同一障害の患者さんが「心の性」と「体の性」を一致させることができる特例法は、理解できる。ただ、残念ながら、それは見かけ上のことで、生物学的には、性器の形状がどうであれ、女性は女性、男性は男性である。無論、性転換した性での生殖機能はもたない。

 ところが、今回の判決は、生物学的にありえない元女性を父と認めるというのだ。それは、民法772条の規定により、妻が結婚後200日経過以降または、離婚後300日以内に生まれた子は、夫の子と推定する摘出推定を援用したとのこと。

 確かに、民法にも性同一障害者についての特例規定はないし、特例法にも民法772条の規定を排除する定めはない。しかしだ、性同一障害者の結婚、体外受精、代理出産など、法律が生殖補助医療に追いついていかないなかで、立法時に考えもしなかった新たな家族関係を、最高裁が認めてしまうのはどうだろうか。

 特例法の立法趣旨は「親子関係の成否に触れていない」と、反対意見を述べた裁判官もいた。性同一障害者の救済を目的とした特例法が想定していない状況は、裁判所ではなく、立法府の責任で、関係法規の整合性を含め精査すべき問題ではないだろうか。

 また、非摘出子の相続について民法改正が行われたが、子に責任はないとの同情論だけで片付けてよかったのだろうか。

 古いと言われるかもしれないが、あるべき家族の姿が、だんだんと崩されていくような気がしてならないのだ。

***お詫び***
昨晩、ほろ酔い加減で「東国原氏の離党」につき、ボロクソ書いたが、今朝読み返すと、あまりにも品のない文章だったので、若干修正を加えた。
すでに出回ったものは消せないが、ご容赦いただきたい。


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