いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2013年08月30日(金) 橋下徹講演会「憲法改正」@大阪

 今日は、午後から京都・大阪方面へ中山恭子議員の名代として出張した。午後1時の全日空を予約し羽田に到着。すると「伊丹空港豪雨のため機材変更をする為40分遅れ」との表示がある。どうやら予定の機材だと、重量が重く滑ってしまう可能性があるので機材変更をする、ということだ。

 「ふざけんな!」と品なく怒鳴っているおっさんもいたが、安全の為の措置に、無関係な地上スタッフを怒鳴っているおっさん、つまらん人生を送っているのだろうな。ANAのスタッフに、少し早く到着するJALへの変更(業界ではエンドースと言う)を頼んで、第二ターミナルからJALの第一ターミナルへ走る。こんな時には、事務所のスタッフが取ってくれた「恐ろしく高い」正規運賃の航空券はありがたい。(割引運賃ではエンドースが出来ない)

 京都で所用を済ませ、大阪へ。日本維新の会共同代表である橋下徹大阪市長の講演会に出席するためだ。マスコミなどで「東と西の確執」などと報道されているが、そもそも出自の違う人々が「一つの組織」になったのだから、聊かの意見の違いは当然ある。時間をかけて、それを埋めていくのが大人だろう。

 今日の講演会は、橋下徹後援会主催で、中山恭子議員にもご招待状が来た。残念ながら議員本人は先役があり出席できないので、私が代理で出席することになった。共同代表というのは言うなれば社長である。社長から招待が「営業所長」に来て、「営業所」から誰も参加しないというのも、組織人として大人ではない。




 さて、大阪の高級ホテルのワンフロアーを貸し切りにし、マスコミシャットアウト、空港並のボデイチックを経て会場に入ると、座る席を探すのに大変なほどの盛況。通常は国会議員や、その代理であれば席が別に用意されているのだが、前方に「関係者席」とあるだけで、こちらもいっぱい。流石である。

 憲法改正と銘打った講演会だったが、講演時間の1/3は朝日新聞と毎日新聞の批判に終始されていたが、この前段部分は私として大いに共感できる内容だった。以下、かいつまんで講演内容の一部をご紹介する。(文責はすべて犬伏)

だいたい、政治部の記者というのは、会費制の政治パーテイに来ても、会費も払わず飲み食いしている。けしからん。今日はメデイアを入れない。メデイアは、こちらが伝えて欲しいことは報道せず、どうでもいいことや、都合のいい部分だけを報道する。例えば、僕が「政治には独裁と言われるような指導力が必要だ」と発言したら、メデイアは「橋下、今必要なのは独裁だ」と書く。

その中でも毎日新聞はヒドイ!この中で毎日取っている人?ああ、さすが僕の支援者ですね。少ない。朝日もヒドイけれど、あれはブレない。論をはってくる。頭もいい。毎日は頭が悪い。毎日は橋下が憎いだけ。お前小学生かと思う。先日、市議会で3時間の会議があったが、市議が発言するだけで、僕の発言の時間はない。3時間も会議に出ていれば、たまに目もつぶるでしょう。ところが、その瞬間を毎日が撮って、「橋下市長お疲れ、居眠り」と書き、「国政政党の代表と兼務で市政に専念できず」と書く。いったい3時間もうち、まばたきもしないでいられるのか。大新聞が報道する内容じゃない。

先日、松江市教育委員会が「はだしのゲン」を学校図書館で閲覧制限をした。これは「教育的配慮」の教育委員の結論だ。ところが、朝日、毎日が大キャンペーンをはって、覆してしまった。普段は教育への介入をやめろと言っているくせに。「国民の知る権利」とか言い出す。であれば、学校で無修正のエロ本を見せるかといいたい。自分たちの都合のいいようにしてしまう。

憲法改正の議論が始まっている。憲法は、権力を持っている人間に対するルールだ。大阪市役所では常に憲法に照らしてどうか、という議論をしている。憲法の意義はまさに権力者に対してにあるのであって、一般国民を縛るものではない。北朝鮮では将軍様の元彼女が逮捕され数日後に処刑されたそうだが、日本ではそのようなことはない。共産主義国家は「人冶国家」といい、我々の国は「法治国家」である。

サンケイ新聞や自民党が憲法草案を発表した。なぜ橋下はこれに反対なのか。国家を護る義務なんて憲法で定めるものじゃない。気持ち悪い。権力を持った僕らが「国家を護れ」とは口がさけても言えない。憲法の中に価値観や国の理念などいれてはいけない。権力者を抑制する無機質なものでいい。

国家を愛せない人々がいる。国家を愛せないのには理由がある。それを憲法で「愛せ」というのはおかしい。「家族を大切に」そんなのは当たり前で憲法に入れるのは余計なお世話だ。「家族を愛する法律を作れ」と権力者に要求するならわかる。

安倍さんは、「王様が暴れ狂っていた時代なら権力者を憲法で縛る必要があるが、今はそんなことはない。国家のあるべき姿を示す必要がある」と言う。

今、憲法があるから北朝鮮や中近東のように国民に銃を向けるようなことが自衛隊使っておきない。もちろん、日本人の常識もあるが、もし暴れ放題でよいということになればフランス革命時代のようになる可能性がある。

僕は権力の本質はフランス革命当時と一緒だと思っているので、憲法は基本的に権力者を縛るもので、国民を縛るものではないと思う。憲法は思想書ではないのだから無機質でよいので価値観など入れるべきではない。僕はサンケイや自民党草案は賛成できないし、気持ち悪いと思う・

現憲法の第99条憲法擁護義務の項には「国民」とは書いていない。国民の皆さんは憲法に縛られることはない。憲法に縛られた権力者が作った法律に縛られる。朝日、毎日のように国家は悪と考えるのもおかしいが、サンケイと朝日の間のような考えがそろそろ必要だ。国民には責任を持ってもらうが強要はしない、というような。

韓国の裁判所が朝鮮人戦時徴用で日本企業に賠償命令を出す可能性がある。このことは二国間で解決済みの問題だが、この根本には慰安婦問題がある。サンケイや保守層は、慰安婦問題はないと言い、朝日らは謝れ!と言っている。これでは解決しない。

僕は、世界各国の軍隊は戦時中、女性を性の対象として女性を必要としていたでしょ、日本だけじゃないと発言した。慰安所はヨーロッパでも韓国にも、米軍が進駐した日本にもあった。そう発言すると朝日、毎日は「橋下、慰安婦必要」と書く。無論、慰安婦の方たちが大変な環境におかれていたことは反省し、二度とそのようなことが起きないようにしなければいけない。しかし、自分の国のことが正しく伝わっていないことには政治家は発言しなければならない。

今、アメリカの主要都市に「慰安婦像」が建てられ、その裏にはいかに日本軍がひどいことをしたか、事実と違うことが書かれている。アメリカが本当に日本の同盟国だったら、こんなもの即刻撤去するはずだ。保守系の政治家や論客たちは国内では元気いい発言をしているが、海外に対しては黙っている。なぜか?僕のように叩かれるからだ。

この問題を正しく世界に発信することが大切だ。

 いささか長い紹介になってしまったが、すべてを伝えきれていないし、私の筆記と記憶から書いたので正確ではないので、橋下氏の真意が伝わらなかったら私の責任である。

 朝日、毎日に対する考え、慰安婦問題の大部分、はだしのゲン問題などは大いに共感するが、憲法に国のあるべき姿、理念を入れることに「気持ち悪い」とする考えには違和感を覚える。

 米国製の現憲法にも前文で「あるべき姿」が書かれているではないか。国民的議論を経て、日本国のあるべき姿を新たな憲法に書くことは決して「気持ちの悪いこと」ではないと思う。

 また、米国内の慰安婦像の撤去については、保守系地方議員有志(私も)連名で米国オバマ大統領あて抗議文を駐日米国大使館に託したところである。決して黙ってはいないのだ。

 ただ、日本維新の会所属の支部長たる私が、橋下共同代表個人の意見すべてに対し賛意を示すことができないのは、大きな組織である以上当然のことで、その溝を埋め、政党の組織としての合意を創っていくことが肝要かと思う。また、北朝鮮と違って、このような意見を発言出来ることも組織の健全性の証だろう。日本維新の会が、毎日新聞のような「好き嫌い」で判断しない大人の組織として成長していくことを確信したい。




 橋下共同代表が熱弁をふるった結果、懇親会開始が予定より30分近く遅れ、大好きなビールを呑まず、関西国際空港の最終便に急いだ。今宵の夕食は一人淋しく、ちょっと豪華に、空港で「大阪モダン焼き」そして、当然「あ、すみません!生ビールありますか?」である。


 


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