いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2012年03月24日(土) 大田区役所談合体質(?)暴露by読売新聞

 やった〜!!!!!と朝刊を読んで歓喜した。読売新聞都民版に「大田区入札3割不成立」との記事が5段にわたり書かれているではないか。13年前の初当選から、大田区の建設、物品の入札はほとんどが談合の疑いがある、と再三訴え続け、談合情報があると、捜査当局、公正取引委員会に通報していた。

 が、あまりにも世の中「談合」が多いらしく、公取などは「資料としてお預かりしておく」という対応だし、捜査当局は「談合だけでは、なかなか捜査できない。高校生がタバコを吸っているのを取り締まるようなものだ」とまで語る。


 それでも談合情報が私の手許に届く。完全一致の情報が多いが、ときたまはずれる。先日も、区立嶺町小学校の建築、設備、電気工事の談合情報がよせられたが、2件ははずれていた。

 入札は、最大3回まで入札額を書いた「札」を入れる。1回目で大田区の予定価格になれば、それで終わるが、到達しないと3回まで行う。面白いのは、1回から3回目まで「チャンピオン」と呼ばれる、談合で決定している「落札予定業者」の順位は、常に1位。これを談合研究家の間では「1位不変の原則」と呼ぶ。

 そして、その結果、区予定価格の98%だとか、99%の落札率が花盛りなのだ。これも研究家の間で「95%以上は談合が疑われる」と言われる数値をはるかに超えている。

 なぜ予定価格が漏れるのか。最近は詳細に設定できる入札ソフトもあるが、最後は人脈であると思っている。区の事業課(発注担当者)と業者はとても親しい。自ら予定価格の設定が困難であると、親しい業者から「参考見積もり」を取り、それから何%か値引いて「予定価格」を算出したりしている。

 そこで、「見積もり」を間違えると笑い話がおきてしまう。昨年、区役所本庁舎のある入札があった。専門性が必要な価格設定なので、区担当者は、大手メーカー2社に参考見積もりを取った。すると、価格に倍近いひらきがあったが、区は安いほうの業者の価格を参考に「予定価格」をはじいたのだ。

 そころが、実はこの業者「机上見積もり」で現場の詳細な確認をしていなかったものだから大変。落札業者は、この予定価格に近い価格で落札。検証すると大赤字になることがわかったが、泣く泣く契約を履行することになったらしい。

 そして、最近の動きだが、いぬぶしが「談合!談合!」と騒ぐものだから、業界でもいくつかの改善(?)が行われた。

1.談合の場所を区役所9階エレベーターホールや2階喫茶店は使わない。
2.すでに談合の相談場所になっている場所は移動する。
3.出来るだけ1発で決める。

 そして、最近の傾向として、談合が不調になり「真の競争」が行われ、落札率が85%程度のものもあらわれだしたのだ。しかし、区予定価格を導けない場合は、不落随意契約となるのだが、こいつが3割以上になっているのだ。

 つまり、3回の入札を行っても、大田区の予定価格に至らない場合は、もっとも安い業者と、大田は協議を行い、ほぼ予定価格で契約を結ぶ。これを「不落随意契約」と呼ぶ。

 入札で98%などとなると、また、いぬぶしに議場で騒がれるが、不落なら98%でも文句なだろう、ということかもしれない。業者にとっては、談合で「チャンピオン(落札業者)」を事前に決定し、絶対に大田区予定価格を上回る価格で「札」を3回入れる。その際「最安値不変の原則」を貫けば、予定価格満額に近い価格で契約できるという「おいしい制度」なのだ。


 問題は、区議会である。自民、公明、民主の所謂、与党会派は無論、共産党まで、このような契約議案に賛成してしまうのだ。私は、あきらかに談合情報で一致するものは「反対」、疑われる者は「抗議の意味」をこめて「退席」している。

 賛成する議員たちの言い分は「われわれは捜査機関ではないから」だそうだが、はたして、地方議会の監視機能はそうなってしまうのだろうか。

 「適正な競争の結果と思っている」、区執行部の「恒例」の答弁が虚しく聞こえる、大田区の入札を、よくぞ読売が書いてくれた。



 変わろう区役所、変わろう区議会! 


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