2012年02月19日(日) |
息子を見送れない涙の招集訓練とは@百里基地 |
今日は、航空自衛隊予備自衛官招集訓練の3日目だ。予備自衛官の招集訓練の訓練項目は航空幕僚監部達によって定められているが、詳細の内容は各訓練担当部隊に委ねられている。
自衛官としての経験も違い、民間人としての立場も違う予備自衛官を訓練するほうも大変だと思う。マジメに訓練をすれば「厳しい」との苦情が出るし、ゆったりとした訓練日程だと「何しに来たのかわからない」とのクレームが出るのだ。
さて、本日の訓練項目は「野外訓練」である。訓練実施計画によれば、訓練内容として(1)地理判読要領の会得(2)通信要領の確認(3)気象・地形・道路状況に応じた行動体形及び速度の体得、とある。立派な訓練内容だ。では、実際の訓練を画像でご覧頂こう。
08:50 百里基地をマイクロバスで出発。 09:50 笠間稲荷着〜10:30自由行動
10:40 有名な豆腐屋さん着
10:55〜13:00 笠間芸術の森公園にて自由行動
13:55 百里基地着
上記の内容で、上述した3点の訓練内容は会得できるだろうか。しかし、このような訓練内容は、計画を策定した末端の部隊にあるのではない。航空自衛隊の予備自衛官制度が発足して25年以上経過した今日まで、有事の航空自衛隊予備自衛官のミッション(なんとなくはあるが、不明確)、さらには、平時の招集訓練のあるべき姿、目指すべき練度などが示されていないのだ。
そうすると、各部隊は限られた人員と予算、そして、予備自衛官からクレームが出ないような訓練計画策定をせざるを得ないのだ。もし、空幕や防衛省内局の人事担当者の方が、このブログを読んでいたら、早急に「あるべき姿」について明確なものを各部隊、予備自衛官に示していただきたいものだ。(何度も、所感文に書いてはいるが…)
さて、この5日間の訓練の最中の今日、陸上自衛官の息子が、南スーダンPKOに出発する。13時からは、羽田近隣のホテルで陸上幕僚長も出席されて壮行会が行われるのだ。
なんとか、この壮行会に出席したいと百里基地に依頼したが当初は「NO」そこで、予備自衛官を所管する東京地方協力本部などを通じ再度依頼してなんとか出席できるようになった。(そんなに大変なことか?)
ところがだ、百里基地に到着して訓練担当者から聞いた以下の話には驚いてしまった。
1.5日間出頭する義務を果たしていないので、来年度4月から1年間予備自衛官手当は支給されない。
2.予備自衛官の階級昇任基準で、最近3年間に5日間訓練に出頭している者、という規定があるので、次の昇任は最低でも4年間遅れること。
随分じゃないの。過去20年以上マジメに訓練に参加して頑張ってきたのに、その仕打ちはないよな。息子に電話すると「いいよ!無理するな」との返事。
結局、本日は上述した「厳しい野外訓練」に参加し、予備自衛官としての本旨を貫いたのだが、なんとしても納得のいかない選択だった。
私が訓練部隊の人事幹部なら以下のように命令するだろう。
野外訓練参加者のうち、犬伏については、1200をもって離団し、陸上自衛隊南スーダン支援隊出発行事に参加せよ。
これだけのことだ。いつの間にか、自衛隊がお役所的になってきたのかもしれない。(面倒なこと、前例のないことはやらない)
と考えいたら、突然地震があった。そして、即座に基地内のスピーカーが鳴った。
「偵察航空隊救難体制●発令」さらに「百里基地救難待機発令」 (●にはある記号が入る)
早い!航空自衛隊の現場は決して「お役所的」ではなかった!
では、息子よ、気をつけて、頑張れ!南スーダンの復興と国際社会における日本の名誉と誇りのために!
日本テレビ系に取材を受けた息子の映像
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