いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2011年12月06日(火) 区長の給料下げるな!退職金下げろ!の反対討論

 本日、区長の給料を2000円下げ、退職手当を5%下げる条例案が上程されたので、以下のような反対討論を行った。区長の給料など下げなくていいから、4年毎にもらえる退職手当2314万円を半分にせよ!

 たちあがれ日本の犬伏秀一でございます。私は、ただいま上程された、第100号議案大田区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例、第101号議案大田区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例につき反対の立場から討論いたします。

 第100号議案は大田区長、副区長の給料を区長が月額2千円、副区長が1000円減額するというものであります。私は、議案質疑でも申し上げました通り、一部の大衆迎合、芸能人と化した首長や議員らが報酬や議員定数にばかり言及することには賛意を示すことができません。報酬、給与にみあった仕事は何か、地方自治法制定の際に、法が想定した二元代表制の首長と議会の相互監視、抑止機能とは何かを議論すべきなのであります。私ごとで恐縮ですが、私の長男の息子、すなわち孫ですが、とてもかわいい、この孫。来年で5歳になります。3歳ぐらいまではお金の価値がわからいのか、500円でも千円でも喜んでもらっていましたが、5歳近くなりますと千円では、あまり喜びません。多くの小中学生も同様に新年のお年玉として、今回の減額分千円、二千円では不満げな顔をするのではないでしょうか。
 
 私の試算によれば、この減額で松原忠義区長の年収は2156万円余が2152万円余と年間3万8千円程度減額、両副区長は1729万円余が、1727万円余と年額18000円程度の減額となります。この程度の区民や職員に対する「いい訳」、言うなれば大衆迎合、ポピュリズムのような減額には、良識ある区民、その代弁者たる議員は疑問を呈すべきであります。小手先の給料減額ではなく、もっともっとその職に精励することのほうが、よほど区民の信を得られるものと確信をいたします。

 また、この減額は特別職報酬審議会に諮問し答申を受けているのですが、先日の私の議案質疑の答弁によれば、月額2000円又は10000円、区長と両副区長合計三名で、年額7万4千円の給料減額を審議するために、報酬審議会委員に支払われた費用弁償、日当は22万円余りとのことでした。さらに、議案を作る職員人件費、議会での審議などを含めると大変な税金が投入されていることになります。

 いかに民主主義が費用と手間がかかるものとしても、区民感覚からは、大きな疑問が残り反対です。

 次に、第101号議案大田区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例について討論いたします。これは、大田区長、副区長の退職手当の額を区長が5%、両副区長が4.2%減額するというものであります。その結果、それぞれ4年間勤務した場合、再選、再任の可否にかかわらず区長が総額2314万円だったものが21983000円、副区長が13363200円だったものが12806400円に減額されるのです。

 内閣総理大臣が4年勤務して退職すると退職手当の額は524万円であります。いかに出来の悪い総理であっても大田区長よりは、その職責は重いものと思う、との私の議案質疑に対し、野田副区長は「総理大臣はその職を辞しても国会議員として残るが、区長等は次はわからない」旨の答弁をされました。まったく論点をすりけた詭弁であります。大田区長が内閣総理大臣の4.5倍もの退職手当を支給される、合理的、経済的理由がどう考えても見当たらないのです。

 副区長の答弁は「4年ごとに不安定だから退職手当が高額である」とも受け取れる内容でありました。ところが、区長をはじめ特別職は、我々議員とは違い、職員と同様の地方公務員共済組合に加入し、職員と同じ年金制度、職員と同じ健康保険制度が適用されているのです。

 つまり、例えば4年で落選または退職された場合には、過去の被用者年金または国民年金と通算して年金が支給されますし、年金を希望しない場合は脱退一時金も支給されるのです。もちろん、この共済組合の年金掛け金、健康保険の掛け金の半額は、被用者負担分として大田区が税金で払っているのです。
 
 松原区長は、さる4月の区長選挙において、他の有力候補者が「区長退職手当廃止」を公約にあげたことを受けてか「退職手当の見直し」を掲げられ当選をされました。当然のことながら、選挙の後に支払われる1期目の退職手当は「保留」をされ遡って減額されるものと思っておりましたところ、本年5月9日満額の2314万円、税引き後20236700円を受け取られました。

 今回の減額の考え方は「特別区区長の退職手当の平均支給額にあわせた」という、極めてお役所的な、多分お役人が作った基準でありましょう。その結果、23区中7位だった支給額は16位に下がったと事務方は胸をはりますが、順位や平均などどうでもいいことであります。

税 金の使い道として、納税者、有権者の「感覚」から乖離していないか、その監視役として信託を受けているのが我々議員であります。さきほどの2000円の給料月額の減額と同様に、区民感覚からは「言い訳」としか見えないのであります。

 さらに、あきれることに、この区長等の退職手当について、都区財政調整制度の中で「基準財政需要額」として2100万円余りが算定基準として示されているとの答弁がありました。まったく、東京都の余計なお世話であります。
このような、支給根拠が「みんなと同じ」などといういい加減なお手盛りのような退職手当は、そもそも廃止すべきであり到底賛成することはできません。
 
 討論の終わりにあたり、先日の議案質疑で議長より注意を受けた、竹原信一前阿久根市長のブログを再度読ませていただきます。

『「市長と議員が議論して物事を決めている」と、皆さんは思い込んでいる。しかし議会には議論がない。議会では議論をしてはいけない仕組みになっている。そのことを、議員を体験した人以外はほとんど理解できない。議会だから議論があって当たり前だと思うのが正常だ。しかし議会には議論がない。奇形が議会の通常、常識なのだ。奇形の民主主義だ。
 政治貧困の原因は、おそらくこの辺りにあるのだろう。議会では、市長や議員など、提案者が質問に3回だけ答えて、議員だけで多数決する。それだけだ。議員同士の議論をしてはいけない。繰り返して言う。議会には議論が存在しない。』
 
 どうか、賢明なる区議会議員の皆さん、区長の方ではないく、区管理職の方ではなく、東京都の方ではなく、大田区民の目線で議論を尽くし、本件2件の議案に反対の決意をされますよう、犬伏が伏してお願いをし反対討論といたします


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