2011年12月07日(水) |
これが防災船着場??観光船着場じゃん! |
昨日の本会議で、防災船着場に「観光船を接岸する手数料条例」が上程され反対討論を行った。
防災船着場ならスロープはいらない!
たちあがれ日本の犬伏秀一でございます。 ただいま上程されました、第82号議案大田区船着場条例について大反対の立場から討論いたします。
この条例は、大田区羽田空港1丁目1番地先に船着場を整備し、平時は観光船乗り場にするための条例です。私ごとでありますが、私の本籍地は昭和56年の結婚当時から大田区羽田空港1丁目1番地であり、わが本籍地の隣接地の本船着き場には安藤、沼田両議員と同様に絶大なる関心を持っておりました。
本年5月の予算連合審査会でも指摘をいたしましたが、この場所から直線で1キロも離れていない場所にある三愛石油タンカーバース(桟橋)を日本空港ビルデイングが旅客船用に改修する工事が本年5月2日から開始されました。同社の発表によれば、災害時の輸送ルートとして活用する、ともあるのです。なぜ、こんな近くに、区独自で船着場を作るのか?大変疑問でした。
また、予定地は、両側に橋があり、川幅も狭く、水深も浅い。満潮時には水面から橋桁まで2メートル程度になり、実用的ではない。過去、大森ふるさとの浜辺公園に防災船着場と称した桟橋やクレーンを設置した際の、大田区起案文書を持っておりますが、実際には「防災」は後付の理由で、本当の理由は水面権利者の要望にあったという事例があります。
連合審査会で私は、今回の船着場も、あまりにも唐突であり、あまりにも中途半端な計画であるし、地元の漁業関係者などの意見も取り入れていない等、不信感が募り、完成すれば「観光船着き場」とするに違いない、と断じておきました。
そして見事に私の期待を裏切らない「観光船着き場」のパースが所管委員会に配布をされました。物資輸送の船着き場であれば不要の桟橋への長〜いスロープや、チケット売り場と思われる管理棟の設置など当初連合審査会で示された5800万円を大幅に上回る7000万円以上かかると説明がありました。
さらに大問題なのは、災害時には地元の中小型船により物資の輸送を行うと担当課は説明しますが、その地元の中小型船を持っている船主、漁業組合、遊漁船組合とは何ら協議をしていない、という乱暴なものです。また、東日本大震災で大変な活躍をした陸海空自衛隊、特に小型舟艇を多く持っている陸上自衛隊の大田区を担当する連隊とも、何一つ接触相談を行っていないという、あきれる計画です。
要するに、区長選挙後のマスコミ、区民向けアピールの「思いつき」で作られた防災船着き場が、ついでに「観光船着き場」にしよう、というあまりにも杜撰な条例であります。
この船着き場が出来て喜ぶのは、工事を請け負うマリコンとよばれる建設業者と、横浜やお台場から観光船を運航する旅客船事業者であります。観光船で船着き場についた観光客は、ご丁寧に船着き場管理棟横にある、京浜急行・モノレール天空橋地下連絡通路で都内や空港に向かい、大田区にはまったく経済効果をもたらしません。
以上申し述べました理由から、このような後先も考えない「思いつき」の船着き場を貴重な税金で整備し、またまた「思いつき」で、観光船着き場にしようという条例には賛成できないのであります。
どうか、二元代表制では制度上ありえない「区長与党」を標榜されている議員の皆さん、意思決定機関としての議会の力を狭めてはなりません。勇気を持って、反対の意思表示をされるよう強くお願いして私の反対討論といたします。
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