いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2011年08月31日(水) 都市・環境委員会行政視察3日目@八戸市

 今日は行政視察の最終日。八戸市に来ている。旅行会社が行程を組む場合、初めに行程の一番遠い場所に行き、そこから出発地に近づいて行く、というふうに組むものだ。それは、旅が続いて疲れが出てくることへの配慮と、なるべく何か起こっても出発地に近いほうが精神的に安心(主催者として)ということだ。

 例えば、米国一周ツアーを企画した場合、まずは一番遠い東海岸に行き、序々に日本に近づいて最終日は西海岸のサンフランシスコ、サンノゼ、またはロスザンゼルスにする。ハワイ経由であれば、最終日程はハワイ。これが常識なのだが、お役所は違うようだ。

 今回も初日は最も近い盛岡、そして翌日は葛巻、最終日の今日は最も遠方にある八戸市の視察だ。さらに民間感覚と違うのは、乗車券は「普通の切符」なのだ。

 民間や、お役人でも「自費」の場合は、なるべく安い乗車券や航空券を買うはずだが、「公費」となると「最も高い方法」で買うのはなぜだろうか。例えば、今回の視察は、行きは個人個人の切符で購入しており一人13640円也。ところが、新幹線回数券を利用すれば一人12950円となり、12名では8280円の節約にある。さらに、旅行会社の「営業マン」が賢ければ、団体券をすすめる。(8名以上同一行程)

 もっと「優秀な営業」は、JR契約乗車票という切符モドキを提案するだろう。これは、業界では「丸契乗車票」と呼ばれており、旅行会社とJRの契約に基づいて発行されるもので、区間により違うが、旅行会社の仕入れ値は、正規運賃の40%引きから60%引きにもなる。切符ではないが、切符と同じ様式の「券」をもらい、これで乗車できる。ただし、券面には運賃が表示されないため、仕入れ値に旅行会社が「お好みの利益」を乗せることができる、お客にも旅行会社にもよい制度なのだ。

 今回の盛岡までを「丸契」で、40%引きの8200円で仕入れ、25%引きでお客に売れば、旅行社は約2000円の利益、お客も3500円ほど安く買えることになる。ちなみに、東京ー盛岡間を正規運賃で売った場合、JRから旅行会社に入る手数料は5%、680円にすぎない。

 まあ、こんな細かいことから、議会の視察改革をすすめて行くことも必要だろうと思い、あえて苦言を呈す。議会事務局職員の弁護をすれば、正規運賃でないと「わがままな議員」に対応できないということもある。

 例えば、議員が当日集合場所に来なかった場合、回数券は払い戻しが出来ないし、丸契乗車票や団体券は「不乗証明」または「改札証明」という印をもらい、さらに帰京後、旅行会社に払い戻し手続きをしなければならないのだ。

 さて、本日の日程は以下のとおりである。

09:10 フロントに荷物を預ける。
09:15 ホテル発 徒歩
09:20 八戸市役所着

中心市街地活性化の取り組みについて
八戸ポータルミュージアム(はっち)

11:30 視察終了(解散)

 中心市街地活性化については、どこの地方都市もかかえている問題で、大規模小売店舗(ショッピングセンター)が郊外に出店し、中心街の住宅事情が悪く(高い、狭い)なれば、中心市街地が活性化しなくなるのは「必然」である。その意味では、大田区のような「密集地」では、いささか事情が違う。

 また、この中心市街地の活性化の一助として八戸ポータルミュージアム(はっち)という施設を市は建設した。素晴らしい「建物」だが、年間管理費1億5千万円、人件費1億5千万円、合計3億円の税金を投じることには、余計なお世話だが???と感じた。

 いかにも「出来そうな」女性館長さん(市職員)からは「図書館に3億かけても誰も文句言わないでしょう」と、税金を投入して運営することの必要性を断じられた。大田区なら激論となるところだが、視察を受けていただいただけで感謝であるので、頷いておいた。

 長い間、視察3日目は、「朝食後解散」が通例だったが、さすがに最近は午前中に、なんらかの視察を入れるようになった。

 ホテルで「解散」が委員長より宣言されると「自由の身」である。すぐさまタクシーに飛び乗って、新幹線で仙台で。数時間で用事をすませ、宇都宮市へ移動。ここでも用をすませて帰京の途へ。午前中までの「ゆっくりした時間の流れ」から、「解散後」は、突如、民間の「分刻みの時間」に「移動」した。

 この感覚の差は、未来永劫「お役人」には理解できないだろう。そして、その違い(民間とお役所)を本気で訴える議員がまだまだ足らないのだ。


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