いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2011年06月23日(木) ヤマト運輸羽田物流ターミナル、アスベスト搬出開始!

 だいぶ前に書いたが、ヤマト運輸羽田物流センター(旧荏原製作所)のアスベスト含有成形板(スレート)が混じった汚染土壌の搬出が昨日から開始された。

 この工事現場を巡っては、すでに鹿島建設が相当量の汚染残土を搬出済みであることが明らかにされているが、大丈夫なのだろうか。

 株式会社荏原製作所の跡地は、土壌汚染対策法に基づき、土地所有者である同社が清水建設に委託して、工場に由来する汚染度の搬出、土壌改良を実施し、その後、ヤマト運輸に売却したものである。

 そして、ヤマト運輸は、鹿島建設に建設工事を委託し、自然由来汚染土の搬出を昨年末から実施したのだった。ところが、この土壌改良工事の最中、アスベスト含有スレート板片が、工事区域内の表土から多数発見されたのだ。

 工事は中止となり、荏原、清水、ヤマト、鹿島、都などが協議を重ね、いよいよ搬出される運びとなった。

 問題は、荏原製作所が汚染土壌の土を入れ替え土壌改良を行った後に、まぜ「アスベスト含有スレート片」が発見されたのか、という点である。確かに、旧荏原製作所の工場建物は、外壁、屋根、どれも「スレート板」だった。その建築当時は、アスベスト含有スレート板を使うことは違法ではなかった。

 それが、長い工場の歴史の中で、破片が土壌に混入したのではないか、というのが荏原、清水側の言い分である。解体工事中に混入したとなれば、解体工事を請け負った清水建設の責任問題となるから、これは強弁せざるを得ないだろう。

 であったとしても、ほかから非汚染土を搬入して土壌改良をした場所から、アスベスト含有スレート片が出たことは、どう説明をするんどあろうか。スレート片が夜中に、歩いたのだろうか。それとも、蟹さんやカラスさんが遊んでいて落としたのだろうか。疑問は晴れない。

 もし、搬入土壌にアスベスト片が混入していたとすれば、この土を非汚染土として搬入した清水建設の下請けの問題だ。マニュフェストを確認すべきでもある。

 今回の事件(?)で、清水建設や荏原製作所は大変な窮地にあるだろう。荏原は株主総会が集結したので、ホッとしているのかもしれないが。そして、買主であるヤマト運輸は、工期が送れ、資金が寝てしまい事業計画の見直しをせざるを得ない「被害者」である。

 さて、では得をしたのは誰か?勝手な推測の域を出ないが、鹿島建設ではないだろうか。確かに、半年工事が止まってしまったが、アスベスト含有スレート片の搬出という「オマケ」の仕事がふってわいたからだ。

 アスベストやPCBなど汚染土壌の処理は、通常の土壌に比べてその処理費用は格段に高い。大森の区道でPCBが出た時など、数億円の処理費用が業者に支払われた。

 これだけ大きな工場跡地であり、広範囲のアスベスト含有スレート片の搬出にもかかわらず、いずれの会社も「記者発表」をしていない。地元の連合町会に説明して終わり。

 これでいいのだろうか?さらに、大田区の地元自治体としての責任は如何に?所管は東京都、という詭弁は通じないぞ!


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