2011年06月24日(金) |
たまちゃんバス、一人一回218円の赤字!! |
10年程前からだろうか、全国的に「コミュニテイバス」運行が流行った時期がある。大田区でも「交通不便区域」の住民から、コミュニテイバス運行の要望が、区役所や議会に寄せられていた。
ところが、当時の西野善雄区長は頑として首をたてに振らなかった。私も当時、コミュニテイバスを所管する特別委員会のメンバーとして、三重県四日市市や京都市醍醐寺のコミュニテイバスの現状を調査した。さらに、近隣の自由が丘「サンクスネイチャーバス」も見に出かけた。
それらの経験から、私なりに得た結論は「行政が関与すべきではない」ということである。四日市のコミュイテイバスは、赤字分を市が補填する仕組みのため、受託バス会社には、まったく緊張感がないし、市も「福祉費」と、垂れ流される運行費用を割り切っていた。
反面、醍醐寺のコミュニテイバスは完全に民間のボランテイア団体が自主運行しており、「黒字」である。この団体の代表者は「市役所に金を出してもらおうなんて考えちゃいけません。市議会議員なってアテになりません!いや、大田区議会は違うでしょうが‥」と、自信たっぷりに語られていた。ちなみに、醍醐寺バスの視察では「時間を割くのだから」と、30000円を請求された。流石である!
自由が丘の「サンクスネイチャーバス」は、地域の方々や小、中学校が天ぷら油の廃油を拠出し、それを精製し燃料(すべてではない)にあて、運行経費は企業と個人会員が補填している。行政からは助成はないと聞く。
ところが、「民間区長」として西野区政を引き継いだ、松原忠義氏は、前政権がやらなかった事業を積極的に取り入れることで「違い」を鮮明にしようとした感がある。「コミュニテイバス」もさっそく平成21年10月から走らせてしまったのだ。
さて、先日の交通問題調査特別委員会で、昨年度の「たまちゃんバス」の収支が公開された。
利用者数:36,743人(1便あたり6.7人)
収入: 4,581,193円
経費:12,615,625円
欠損:△8,034,432円
これによれば、一回大人150円の運賃を徴収しても、実は税金で一人一回218円を補填していることになる。つまり、一人368円かかるのだ。 赤字幅を少しでも埋めるために、広告を募集するというが「焼け石に水」の金額である。
まあ、たかだか、大田区職員一人の平均年収(731万円)に毛の生えたような額だから文句言うな、と言われるかもしれない。しかし、この大衆迎合(ポピュリズム)こそが、松原政権の弱点なのである。
さきの区長、区議選挙前には、区内全町会に対して一律10万円を配ったり、「地域力」という名目での各種助成金は、とどまる事を知らない。「町会関係の予算」は、聖域となりつつもある。
これではいけない。国のマネッコで「事業仕分け」など、やってみたものの、蛇口を気にしながら、シンクの排水口のフタは開けっ放しでは、金がいくらあっても足りなくなる。運行主体など、抜本的な検討をすべき数字でもある。
コミュニテイバスに限らす、我々議員は、例え「地元要望」であっても、税金の公平な使い道として疑義があったとしたら、区長に対しても「ストップ」をかけなければいけない。
次回7月19日(火)には、実際に「たまちゃんバス」に、特別委員会として乗車してみることになった。地域の方々、動員して「満席」にしないでネ!
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