2011年02月01日(火) |
同じ大田区の中学校で、これほどの差が! |
下の表をごらん頂きたい。これは大田区立中学校の主要5教科で、生徒のうち何%が「5」を取れたかの割合を表にしたものだ。
大田区中学校五段階評価の「5」の割合(抜粋)% 国語 社会 数学 理科 英語 A中学校 平成21年度 0.6 1.8 3.7 4.3 4.9 平成20年度 0 0.6 0.6 1.2 1.2 B中学校 平成21年度 16.1 18.6 17.8 25.4 24.6 平成20年度 11.2 15.3 12.2 17.3 23.5 割合が最上位校の場合 20 27.1 21.5 30.6 24.6 割合が最下位校の場合 0.6 1.8 1.4 3.5 4.6
例えば、区内で最も「5」を取る生徒の割合が低いA中学校では、平成21年度の国語では全生徒の0.6%しか「5」を取れなかったということだ。反面、毎年上位にいるB中学校では、16%の生徒が国語で「5」を取り、英語と理科では生徒の1/4の25%が「5」を取っている。
その下は、各科目で「5」を最も多く取った学校の割合(比率)と、最も少ない学校の割合である。国語では、最も多い学校では20%が「5」を取り、最も低い学校では0.6%の生徒しか「5」を取れないことがわかる。
都立高校の入試は、この中学校の9教科の五段階評価を「内申書」として、入学試験の評価とあわせて1000点満点に換算して合否を決定している。従って「5」の取りにくい区立中学校の生徒はそれだけで都立入試が不利になってしまうのだ。
なぜ、一部の中学校に成績不振が「偏在」するのか、親の経済状況なのか、地域問題なのか、意識の問題なのか、これを精査しなければ「公平、平等な公教育」の提供はできない。
ところが、大田区教育委員会は、この評定の学校別一覧を公開すると「地域が混乱し、いわれのない差別や競争が激化する」として、公文書として非開示決定をしている。(現在、2年がかりで不服審査中)なお、東京都教育庁は、同じ内容のものを公開しているので大田区教育委員会の非開示決定は、あまり意味のないもので、実際、区内の大手予備校では「●●中学校は5が取れないから都立に行くなら近隣の××中学校へ」と、小学校6年生の保護者説明会で話している。
これでいいのだろうか。教員は昔から自分たちの働きを外部から評価されたり、教員に序列をつけることを極端に嫌ってきた。それこそが、中山 成彬元文部科学大臣に「日本の教育のガン」と断じられた、民主党を支援する日教組の最重要闘争事項であろう。
教員は22歳で大学を卒業して採用されると、すぐさま「教室」のなかでセンセイと呼ばれる。社会人としての訓練もそこそこに児童生徒の「規範」となることを要求されるのだ。
釧路市立東雲小学校には、廊下と教室の間がない。職員室もないのだ。職員席から教室は丸見え、教室という感覚がないので、授業もいつでも公開である。同じ試みが新潟県聖籠町立聖籠中学校でも行われている。ここでは、教室と廊下、職員室と廊下の壁をすべてガラス張りにして、廊下から授業の様子や職員室が見えるようにしたそうだ。
教育も行政サービスの一環である。区立学校の教育に格差が出ないよう、改善をしなければならない。その為には、学校間の格差を公開し、原因の追及と議論を深める必要がある。そのことから、現場の教員も教育委員会も逃げていては、納税者、区民の公教育に対する信頼は回復しないだろう。
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