2010年08月17日(火) |
大荒れの開発・観光対策特別委員会!守旧派VS改革派 |
今日は、区議会開発・観光対策特別委員会が開催された。相変わらずの「お役人感覚」の披露の後、いつもながらの「質問大会」が繰り広げられた。これが、議会の委員会であると信じている「古いタイプの議員」は哀れである。議会とは、お役人に質問する場ではない。自治体の意思決定を、議員同士が議論しながら、お役人の助言を得ながらする場所である。
が、残念ながら大田区をはじめ、日本中の多くの自治体の議員も職員も、議会や委員会はお役人が「事務報告」をして、それに議員が「質問」を執拗に行う場だえると誤解している。これをなんとか乗り切ると、やれやれお互い「民主主義」を実践した気になるようだ。
ひどい不勉強な古参議員になると、「質問大会」をやめて「議員同士で議論をする」ためには、議会運営規則を変えなければダメなどという発言を真顔でするのだから、あきれてしまう。
さて、いつもながらの「質問大会」も終盤にかかり、最後の報告事項である「大森北1丁目開発」になると、伊藤和弘委員長(自民党永井派)から次のように発言があった。
本件は、日を改めて、関係する理事者に全員お越しいただいて議論をしたいと思うがどうか?
前回の委員会で、他の委員から、図書館の蔵書数が旧館より1万冊も減ること、開館時間について「賑わい創出」という当初の目的から再考すべき、との意見があった。それに対し、お役人側は、所管ではないので、その件は、こども文教委員会において、教育委員会が担当している、と逃げたのだった。
そこで、今回の委員長の提案となったのだ。役所の「縦割り」により逃げを許さない、極めて真っ当な考えである。が、古いタイプの議員さんには、気に入らなかったようで、大騒ぎになった。
もっとも否定的だったのは、公明党の高橋博議員と丸山かよ議員である。「所管で話せばいいことだ。この委員会では必要ない」と、理事者をかばう。
反論するのは、共産党大竹議員、佐藤議員、生活者ネットワーク奈須議員、私、民主党の森愛議員の合計5名。
その論点は、以下のようなものである。
確かに図書館の運営は、教育委員会であり、その所管は、こども文教委員会である。しかし、本件図書館が入るビルは、大田区の土地をNTTの土地と交換し、さらには追加の支払いをして、商店街にある物件を入手してものである。また、その事業主体は、事業用定期借地権を設定した丸紅主導の米国のファンドである。そして、この開発の所管委員会は当委員会となっている。
とすれば、この開発にかかわる建物の運営、そのなかにある区の施設の運営は、一体であるので、本委員会で議論すべきである。
ところが、そもそも、委員会で議論して「議会としての問題提起」をする、などということに慣れていないのか、それとも「何かを守るのか」、自民、公明の議員から反発が相次いだ。
これに困った委員長は、裁決を迫られた。つまり、大森北1丁目開発につき、改めて委員会を開催し、通常出席しない教育委員会や、特別出張所(このビルに入る)所管の区民部などの、お役人も呼んで議論しよう、という提案に賛成か反対か、の採決である。
結果は次のようなものだ。
賛成議員:合計5名 大竹(共産)佐藤(共産)、森(民主)、奈須(生活者ネットワーク)、私
反対議員:合計6名 河津(自民河津派)押見(自民河津派)鈴木隆之(自民永井派)、高橋(公明)丸山(公明)、黒川(民主)
自民の鈴木議員は、半分手をあげかけ、他の自民党議員が賛成しないので下ろしてしまった。「黒い政治を白くする」とのキャッチで当選した民主党の1年生黒川仁議員は、同じ会派の森議員に「なんで賛成しないのよ!」と怒られながら「でも同じ議論をするのは…」と、反対にまわった。
鈴木議員か黒川議員が「当たり前」の判断をしてくれれば、公開の議会の委員会で議論ができたのに、残念である。
この結果を受けて、委員長はやむなく非公開、議事録もとらない「懇談会」という形で、関係理事者を呼ぶと提案し、日程調整に入ったが、反対した議員たちは「出るもんか」とばかり、退席してしまった。情けない!
このような「いい子ちゃん」の守旧派議員はお役人にとってはありがたい存在だろうが、地方自治本来の目的達成には困った存在ですらある。自ら、議会の権能を放棄するような行為は、今風ではない。
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