2010年01月21日(木) |
官製談合か?単なるドジか?2分前に入札中止 |
大田区の入札は本当に不思議なことが多くおきる。統計学や社会常識では説明がつかない珍事が、なぜか「大田区役所」だけに発生するのだ。よく見られる珍事は
1.区の予定価格以上の場合は、何回入札を繰り返しても「最安値の業者は不変」で、2位以降は毎回入れ替わる珍現象。
2.億を超えるような大型案件でも、数千万の案件でも、なぜか大田区予定価格に限りなく近い(99%!!!)で落札される珍現象。
3.三社の共同企業体で落札しながら「落札予定業者(本命)ではなかったためか」、そのうち一社が大田区との「契約印」の捺印を拒否するという珍現象。
4.小額の事前工事を「競争入札」で落札し、高額の本工事を「随意契約」で、その業者が受注する珍現象。
などである。
そして、今回、また新たな珍現象が発生したのでご披露しよう。それは、ある工事の電子入札でのことである。電子入札とは、あらかじめ「東京都電子自治体共同運営」のサイトで登録し、入札額をインターネットで送信するものだ。業者が顔をあわせないので「談合がおきにくい」と、お役人は胸をはるが、ウソである。
なぜなら、大田区の電子入札は「制限つき」だからだ。まずは、区内業者または準区内業者(区内に営業拠点がある)でなければならない、最近大田区から同種契約の発注を受けていること、さらには予定金額により、応札できる業者は、より限られてくるので、なんおことはない。区役所に来て9階の入札室前や2階のレストランで「打ち合わせ」をするか、事前に打ち合わせをして、インターネットで送信するかの違いで、結果は同じことである。
さて、今回の珍事は、この電子入札の締め切り2分前に突然、大田区が発表した「入札延期」である。この入札は、昨年の12月21日に入札公告がなされ、1月18日16時までに、電子入札で応札することになっていた。
そして、9社の業者が大田区の「参加資格確認」を受け応札した。ところが、その締め切り2分前に「当区の都合により延期」との連絡が各業者に届いた。
不思議なのは、その翌日19日に改めて20日16時締め切りの「公告」がされ、同じ9社が応札し「チャンピオン(落札予定業者)と目されていた業者が落札」をした。
では、何が問題か?締め切り2分前ということは、すべての業者の落札価格が「出揃って」いたはずである。つまり、区の担当には、どの業者が最安値かとわかっていただろう。
ここから、あくまで私の想像である。 そこで、当初「区側も業者側」も思っていた「チャンピオン(落札予定業者)」ではない、業者が最安値をつけた。
こいつは大変だ。区は、予定価格の半分に近い金額での落札では「事前の積算(←実は業者に頼む)」は、なんだったかと言われかねない。業者側は、「掟破り」が出てしまう。双方に「危機」がくる。では、延期して「最低制限価格(ロアリミット)」以下にして「失格」にさせてしまおう。
という推理も成り立つのではないか。お役人は、常々「入札は適正に公明、公正に行われている」と答えている。であれば、「疑義を招く」こんな失態を犯してはいけない。
入札の結果は以下のとおり。
1.X社 48,909,000円 最低制限価格未満 失格 2.Z社 59,000,000円 最低制限価格未満 失格
3.A社 78,000,000円 落札(大田区予定価格の79.6%) 4.B社 86,950,000円 5.C社 88,000,000円 6.D社 88,000,000円 7.E社 88,000,000円 8.F社 90,500,000円 9.G社 98,256,000円
「安かろう、悪かろう」では困るが、X社が「適正な価格」だとすれば、落札業者は「ボロ儲け」ということになる。入札改革をすすめている東京都や国では、予定価格を大幅に下回る価格で落札した場合には「意見を聴取」したうえで、契約をしている。大田区もぜひ見習って欲しいが、きっと困る方々が出るから無理か‥
これは、桜田門商事営業2課に報告せねばなるまい。
|