2009年01月15日(木) |
夢も希望もない?「おおた未来プラン10年」 |
大田区は、政権が変わって以来「計画づくり」に明け暮れている感がある。早く「新区長らしさ」を出し、次の選挙に備えるおつもりなのか、目白押しで、最近では「作ること」が「目的」の「計画」まであるような気がある。
本日の区議会こども文教委員会で説明された、「教育」に関するおおた未来プラン10年は、そんな好例であろう。そこには、以下のようにある。
10年後のめざす姿 学校、地域、家庭が手を携えて、子どもたちの「生きる力」を育んでいます。
めざす姿に近づいたかを測るモノサシ(指標)と目標値
大田区学習効果測定(中3数学・期待正答率を超えた生徒の割合) 現状 58.3% 10年後 62.0%
不登校生徒の出現率(中学校) 現状 3.73% 10年後 3.23%
ほかに小学校男女の50m走のタイムを男女とも0.1秒早くする、という目標も書かれている。この3つが、10年後に達成されていると、『大田区の子供たちの「生きる力」が育まれた』と判断するそうだ。これにはビックリである。
なぜ不登校の出現率の目標を「3.23%」に設定したのか、との私の質問に教育委員会指導室長は「東京都の現在の平均値」である、と答弁した。なんおことはない、10年たって、せめて東京都の平均値にしよう、という夢も希望もない「未来プラン」なのだ。
ちなみに、昨年5月1日現在の区立中学校の生徒数から計算すると、現在の不登校生徒3.73%は390名、10年後の目指す数字3.23%は338名。10年かけて減った数字は、たった52名。28の中学校で各校たった1.8人の削減をすると「目標達成!」という、なんともステキな「数遊び」である。
さらに驚きなのは、この目標を掲げた「10年プラン」を、学校現場に配布したのか、という私の質問には「まだしていない」そうだ。現場の意見を聞かずして、教育委員会事務局と指導室が勝手に作った「プラン」こそ、まさに「作ることが目的」の作文でしかないし、こんな数値が目標になること自体「やる気」を感じない。
指導室長は「現実離れした数字を掲げても意味がない」と本音を語ったが、所詮「未来プラン」である。夢を語らずして「未来」はない。私が作るなら「10年後の不登校0%」、「期待正答率を超えた中学生の割合100%」と書くだろう。
情けないお役人根性の教育委員会考え直せ!
教育以外の「未来プラン」についても、現場の一般職員の間では「大臣官房(区長直属の5階の方々の総称)が勝手に作っているだけで、そんなの関係ねえ〜」との声があがっている。
嗚呼、ダッチロ−ル!大田区政!!!!
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