いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2008年11月20日(木) パパは学会員!

 我が家の子供たちは、政治的に相当早熟だったと思う。小さい頃から、人手不足(資金不足)の父親を手伝って「余計なお世話レポ−ト」などをポステイングしてくれていたのだ。娘などは「パパ、あすこのお家は●●党のポスタ−しか貼ってなかったから入れなかったよ」などと、正しいマ−ケッテイングを行っていた。

 昨晩夕食時に「パパは明日から学会だから」と話すと、娘が「ええええ!!パパ学会入ったの」と驚いている。どうやら、別の団体と勘違いしたらしい。地方自治経営学会だよ、と説明して納得した。

 今日から2日間、福島県いわき市で行われる「地方自治経営学会 いわき地区研究大会」に出席した。全体テ−マは「地方からの改革とその実践」タイムリ−で興味深いテ−マである。

 テ−マ1は、国のエネルギ−政策の翻弄された常磐炭鉱による、地域再生の成功例だ。炭鉱の街が閉山により無くなる、これを利用して町おこしをしようと一山一家の従業員が、常磐ハワインアンセンタ−創業に燃えた。

 父ちゃんは設備管理に、母ちゃんはレストラン、兄ちゃんはフロント、妹はフラダンスと全員で働いた家族も多かったそうだ。また、今までは労働争議の敵だった労組幹部たちは、得意の弁で「営業部」。なんと労組組合長さんは営業部長に就任した。

 事業が軌道にのると、従業員からホテル増設の提案があがった。が、「地域との共生」を約束していた当時の社長は頑として首を振らず、地元の旅館に客を紹介していた。

 スパリゾ−トハワインアズになった今でも、施設コンセプトは手作り。基本は「ダサさ」だそうだ。そして、富裕層は来ないでくれ、とまで言い切る。明確なコンセプトとタ−ゲットを絞り込んだマ−ケテイングは素晴らしい。「ダサさ」は、蒲田の街づくりにも使えるかもしれない。

 テ−マ2は、今後の日本政治と地方分権と題して、辛口で有名な北海道大学山口二郎教授の講演である。思想的にはいささか異なるものの、彼の政治や政治家に対する着眼にはいつもながら好感が持てる。以下、その発言の一部である。

給付額を国が決めて、後は地方自治体に任せるという給付金制度は地方分権とは言わない。麻生政権の命取りになるかもしれない。

2〜3時間も並んで投票する米国大統領選挙には、まだ米国民が政治に「夢」を持っていることを感じる。

2代目、3代目の総理が大きな権力を持って、それをどう使っていいかわからない。首相の大きな権限を使いこなす人材が自民党からなかなか出てこない。

権力闘争の中政治家として必要な資質を養う意味では派閥は重要だったかもしれない。

もったいないの罠→もったいないと言って、サイフをしめてしまうことによる弊害を考えなくてはいけない。これから冬が来るぞ、寒くて大変!と言っていないで、温かい物を食べて頑張ろう、という発想が必要。

政権交代が是か否かが前面に出て、日本の国をどのような方向に向けるのかという議論がない。特に地方分権については、自民、民主双方にビジョンがまったくない。

民主党が何かいい事をした訳ではないが、自民党ではダメという空気で負けている。

 テ−マ3は、住基ネット反対、合併しない宣言、議員日当制などで有名になった、福島県矢祭町根本前町長の「小さな町が試みた地方からの改革とその実践」との講演だ。

 最近「騒音性難聴」のため、ただでさえ聞きにくいのに、福島弁での講演には苦労したが、人柄がにじみ出た熱弁には魅了された。

議員に酒を飲ましたことは一度もない。議会対策をしたこともない。議案説明に議長を訪ねたこともない。でも、矢祭の議会はしっかりしているんだ。

そもそも国に金がないのに「もっとくれ」「負けるまえに取っちゃえ」と自治体がやっている。親がガリガリに痩せているいるのに、わがまままを言う。

世阿弥は「風姿花伝」の中で「倅であっても不器用なものは後継にしない」。今の国会議員の4割が世襲議員だ。アメリカでは大統領の倅が何になろうが関心はない。志ある頭のいい人間が一番上に座るのだ。

及ばずながら、矢祭が火の手をあげることが重要だ、という信念を持ってやってきた。一寸の虫にも五分の魂だ。

 そして交流会では、この町長さんと親しくお話をした。曰く「犬伏さん、議員なんかやってても何もかわらんよ!首長とらんとダメだ。」あれ??講演とちっとばかり違うかな‥

 その後、初めてお会いした新潟県議会議員の先輩と、某市の女性職員、市議さんらと二次会に繰り出し、地方分権談義に盛り上がった。

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