2008年07月23日(水) |
棺おけの値段はいくら? |
区議会議員のもとには、一年中様々な相談が寄せられる。区の所管ではないと思われることも多い。先日の相談は、なんと『棺おけの値段』だった。
相談者は日ごろ親しくしている神輿の会の若者だ。彼によると、一人暮らしをしていた神輿仲間の若者が、自室で病死していたのだという。警察の検視の結果、事件性はないとのことでご遺体を引き取らなければならない。
親族がいなければ、地元自治体である大田区で、行旅人死亡として公費で火葬、埋葬が出来る。ところが、調べてみると、名古屋に外国籍の妻がいることがわかった。しかし、妻には事情があり、遺体を引き取ることが出来ない。が、身内の存在が明らかになった以上、大田区では手の打ちようがない。
そこで、区内の公営斎場である『臨海斎場』で仲間で火葬にしてあげたい、との申し出である。さっそく、臨海斎場に問い合わせると『えっ!シロウトがご遺体を持ち込むのですか?』と、相当嫌そうな声で『一切、お手伝いはできません。棺おけに入れてきてください。金額は23000円です。』と教えてくれた。
そこで、棺おけの手配である。はたしてどこで売っているのだろう。知り合いの葬儀社の社長さんに電話した。こちらも『えっ!シロウトが無理だよ。そんな事情なら安くやってあげるよ』と。一応、棺おけの値段も教えてもらった。それによると、一般的な棺おけなら8万円程度。少し大きいご遺体だと10万円。さらに大型は12万ぐらいだそうだ。
結局、神輿仲間で香典を出し合い、警察出入りの葬儀社にお願いして火葬したとのこと。ところが、遺品を整理していると、なんと、故人の父親のものと思われる失効した免許証が出てきたのだ。さっそく所轄警察に連絡して調べてもらうことに。
すると、父親は失踪して所在不明だが、母親が再婚して生きていることがわかった。だが、母には新たな家庭があり、夫には子供が別にいることを話していないとのことで、遺骨は引き取れないとの回答。
結局、友人達の手により無縁仏を供養してくれる寺に埋葬された。多くの神輿の友人の厚意に感謝するとともに、故人の冥福をお祈りしたい。
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