いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2008年06月21日(土) 自治体政策論、先生はお役人@放送大学

 今日から2日間、久しぶりの『大学生』である。今、放送大学の教養学部の全科生(正規の学生)と大学院文化科学研究科の修士選科生(科目履修生)として在学している。

 放送大学は、その授業の多くをラジオ、テレビの『放送授業』で受講するが、学部では20単位(1単位は2時間15分X5コマ)以上は『面接授業』といって大学での授業に出席しなければならない。

 今日と明日の二日間、『自治体の政策とその表現』との授業を受講する。

 講師の自己紹介によれば、彼も放送大学の学部から大学院にすすみ、東大の研究室に在籍しているという。大したものだ。さらには、講義の出だしの質問が面白かった。

 地方議員の数は増やすべきか、減らすべきか?学生全員に理由とともに答えさせたのだ。結果は減らすべき13名、増やすべき8名となった。そこでさらに質問が飛ぶ。では、あなたの住んでいる自治体の議員の定数は何名か?

 この質問には、私以外は答えられなかった。

講師:自分の住んでいる自治体の議員の数を知らないで、なぜ議員を減らせ、と言えるのですか。議員が何をしているか、議事録なども見ないで、無責任じゃないですか。

後期高齢者医療保険だって、皆さんが選んだ国会議員が決定したのですよ。つまり、皆さんが決定したのです。普通選挙である以上『私はわからない』ということは許されないのです。

 おお!!言うじゃないか。わが意を得たりである。一体、こんな辛口の講師のバックボ−ンは何なのだろうと、休憩時間に質問をした。『先生の生業は何ですか?(肩書きが非常勤だったので)』なんと、回答は『●●市の職員です』これにはビックリである。

 放送大学の面接授業を随分と受講したが、まったく居眠りひとつしなかった、いやする暇がなかった授業は今回を含め2つだけだ。そして、そのふたつ共、講師は地方公務員という共通項がある。もうひとつは、環境問題の授業の講師、彼も東京都の職員さんだったけ。

 概ね、●●大学名誉教授などという肩書きの方の授業は面白くない。何も知らない普通の大学生なら、難しいこと言って煙に巻けるだろうが、学生のほとんどが社会人の放送大学の講師んは不向きである。

 今回の講師の発言のエポックを記す。

誰が議員を減らせ、報酬を下げよと言ってるのか。マスコミでしょう。人数を減らせと言っている根拠は何なのか。マスコミにうかがいたい。NHKの職員の人数と給与を下げると、放送の質が上がるのかと。

年齢別投票率は、概ね、年齢+10%の式で表すことができる。では若者は政治意識が低いのか。そうではない。年齢が高くなり投票率が上がるのは、社会とのかかわりが増えてきた結果『誰々に頼まれて』『会社で応援しているから』など、職場や地域のしがらみで投票するからだ。

小学生の教科書には、選挙や政治を教えるために『投票箱』の写真が掲載されている。社会科見学で国会議事堂に行く。しかし、箱と建物で何がわかるのか。投票箱で政治が大切と教えておきながら『選挙にかかわってはダメ』と教えられた人間が選挙に行く訳がない。高校生に性病の危険があるから男女交際禁止。事故を起すから運転免許禁止、と言っているようなものだ。

議会が何をやっているか知らないで、議会をバカらしいと言わないで欲しい。議員の調査費が高い?大学の研究者が文部科学省から支給される学術研究費に比べればとても少ない。

普通選挙とは、政治に全員が責任を持つことだ。『わからない』は許されない。それは、普通選挙制度を否定していることだ。

議会の会派とは、法定に何の定めもない。会派に束ねて楽なのは、議会対策をするお役人や首長だけだ。会派というものが、議会の議論を不活発にしている。

地方分権のすすむ今日、常識人の判断を出来る地方議会の役割は大きい。

 すべて『異議なく賛成』!残念なのは、この講師氏、今月一杯で●●市職員を退職され、財団法人の研究職に転職されるそうだ。●●市にとっては、大きな損失である。

 ステキな、そして辛口の授業に感謝。単位は下さいネ!!!



 


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