いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2008年06月18日(水) たらい回しはお役所の文化か仕事か?

 今日は、午前中は区内でお仕事。午後は恒例になった街頭区政なんでも相談会を行った。これは、毎月18日の14時から雑色駅近くの水門通り商店街中央の町会会館前をお借りして行っているもので、なかなか評判がいい。

 勿論、区議会議員になんか相談しなくても、区役所のしかるべき所管に行けば、より丁寧かつ専門的に教えてもらえる。が『しかるべき所管』にたどり着くまでが大変なのだ。最近は少なくなってきたが、庁舎内たらいまわし、というのはお役所の企業文化のようなものだ。

 先日、区内で創業したばかりの経営者が、事業開始届のワンライテイングセットを税務署で貰ってきた。一番上には【税務署用】と、二番目が【都道府県提出用】とあり、最後のものには【市町村】とあった。これは、法人の設立登記が終わった法人、または、個人で創業する者が、これから法人税、法人事業税、法人住民税の納付をしますよ、という言うなれば『市場デビュ−宣言』のようなものだ。

 この経営者さん、税務署と都税事務所に提出後【市町村用】はどこに出すのか税務署に聞いたところ『区役所に聞いて欲しい』と言われたそうだ。そこで、区役所に電話をして交換台に趣旨を伝え所管課らしきところにつないでもらった。

 ところがである。電話に出た大田区のお役人は、偉そうに(その経営者はそう感じたそうだ)『それは法務局の所管です』と答えた。法人の仕組みをまったくわかっていないバカもんである。

 正解は『特別区の法人住民税に関しての事務は、東京都が行っていますので、その用紙は破棄して下さい。』である。法務局は法人設立や変更登記の所管で、とんちんかんもいいところだ。これを信じて法務局に行くと、よりいっそう腹が立つ。

 わからないこと、知らないことは調べて連絡する、という社会常識が公務現場には欠落している職員が多い。たった、10円の負担をせず、区民に二度手間三度手間を強いるのだ。ただ、たらい回しでもして『意味のない仕事』を作らないと、お役人の人数が多すぎるのがバレてしまうのかもしれない。

 この経営者の幸運は、法務局に行く前に私に相談したことだった。多分、同様の質問を49名の区議会議員にしても正解は少ないと思う。弁護士と同じで得意分野が違うということだろう。

 本来は、税務署の段階で【市町村用】をはずして配布すればいいのだが、税務署では『特別区と東京都の関係』は『所管外』なので、やらないだろう。

 福田さん(総理)が増税を決断か?などという報道が流れているが、増税の前に、全国自治体の歳出100兆円、国の歳出80兆円(いずれも特別会計を除く)の無駄遣いを精査すべきである。この1%を減らせば1兆8千億円。消費税率を0.7%あげたと同じ効果がある。

 大田区でも私が指摘して、学校警備職員、給食調理員、学童擁護員の不適切な残業手当が皆無となり、年間1億7千万円が減額され、区職員に税金から支給されていた『飲み代(職場助成費)』は年間5000万円減額された。これだけでも2億2千万円。大田区の予算額の1%である。1%位いとも簡単なことだ。

 金が足りなくなると、すぐ取れるとおろから取るという発想のお役人。その行政に擦り寄り過剰な行政サ−ビスや仕事を要求する納税者。はたして、お互いそれでいいのか??


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