いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2008年03月18日(火) その場しのぎの街づくりはやめよ!@予算委員会

 今日も、予算特別委員会である。都市整備費で15分ほど発言の機会があった。とにかく、議会で発言時間があるとへ辟易するのが『お役人の取材攻勢』である。朝な夕なに携帯電話に所管部の通称『ショムタン課長(庶務担当課長)』から電話が入る。

 なんとか議員の質問内容を事前につかみ、予算委員会で恙無く答弁しよう、との思惑である。議員によっては、一問一答の質問全文をお役人に渡し『こんなふうに応えて欲しい』という調整までする兵もいるらしい。一体なんのための議会だろうか。

 笑ったのは、絶対事前に質問通告しているはずの議員が『課長は●●●について知っているか?』と問うと、課長さん恐縮した顔で『存知あげません。お教え下さい』ときた。本当かいな????

 さて、お役人の取材攻勢を無視し逃げ切った私の質問要旨は以下のようなものである。

(その場しのぎの街づくり)

大田区の街づくりは『その場しのぎ』である。大田区をこんな街にしたい、という理念、グランドデザインがまるでない。案件が出てくると、それに対応するだけだ。『民間出身』を標榜する区長には、お役人の組織に使われることなく、リーダーシップを発揮して街づくりを進めて欲しい。

アルプス電気や蒲田保健所跡地、工学院など一部の有力者に都合のいいように、区民の税金を使っているではないか。また、大田区体育館新築工事では、基本設計が出来上がっているにもかかわらず、計画にはまったく不要な近隣のマンションを意味もなく購入する交渉を一部の幹部がすすめている。京急立体交差事業での立ち退きでは、マンションの建物部分は、償却され評価がほとんどないのに、このマンションでは購入当時の価格で大田区が購入し解体する、というデタラメが行われようとしている。

また、庁内の各部局間を調整する機能がない。再開発なら再開発の事業達成だけを考える。庁内を調整して街づくりを考える人間はいないのか。

工学院前の区営駐輪場は、いつの間にか廃止され、きれいな工学院正面玄関と連なるガーデンが、区民の税金で整備された。工学院が拡張するのであれば、小手先ではなく、蒲田の西口のグランドデザイン、いかなる街にするのかを考える必要があるし、そのことに工学院と協働すべきである。

大田区がすすめる駐輪対策は、撤去が基本である。前区長は『駅前は大田区の床の間である。駐輪はさせない』と断言した。しかし、現状を見れば駐輪場を建設すべきは緊急の課題だ。それを阻害しているのは、実は撤去事業者と仲良しの区役所だろう。

大田区の自転車撤去事業は永年『特殊技術』ということで『随意契約』で行われていた。私の指摘から『見積もり合わせ』になったが、平成16年度以降も特定の同じ2社が独占的に受注しており、その額は1億円を楽に超える。一億の売上げがなくなったら、この業者は存亡の危機である。駐輪場は作れないはずである。

(建築審査を急げ)

昨年6月20日以降、建築審査が厳しくなった。私の自宅周辺でも3件のマンション計画が頓挫し、用地は転売された。私はデベロッパーのことはどうでもいい。土地を売ればなんとかなるのだから。問題は、その下請けである。水道屋さん、ペンキ屋さん、電気屋さん、大工さんなど、マンション工事などを期待している方々が、今窮地に陥っている。この方々を救うためにも、審査を急ぐべきである。区長には、必要なマンパワーの手当てをお願いしたい。

(大森北1丁目開発)

当初から、北行政センター移転を白紙に戻したり、コンサルの30年借地権との提案を理由の説明なく50年にしたり、如何わしさ満杯の計画である。さらには、計画検討資料や事業者選定委員会委員名簿の非開示など、頑なに秘密裏にすすめるのはなぜか?

昨日、事業者選定委員会が開催され、事業者が決定されたようだ。A社からG社まで7社がエントリーし、ホテルプランが5社。うち2社に同じホテル業者が別のブランドで参加。さらに問題は、大田区の名前を日本中に広めてくれた喪が明けないビジネスホテルが参加していることだ。

また、ある参加グル−プのプランを非難する弁護士からの文書が区長に届くなど、大変な混乱になっているようだ。だからこそ、透明性を高めるためにすべてを公開すべきである。

7社の中で、大田区側が『参考』として示したプランに忠実に従っているのがF社のプランである。昨日の委員会ではF社に決定したようだが事実か?事実だとすすれば、やはりデキレースだった。

開発行為は、その場所つまり『点』ではなく、大森の街のグランドデザインのもと『面』で考えるのが行政の仕事である。その場しのぎの街づくりは、そろそろやめようではないか。

蒲田駅の大規模改修や荏原製作所跡地へのヤマト運輸移転計画など、いつも区は『情報がない』と逃げる。情報とは『来るのを待つ』ものではなく、『取りに行く』ものである。

今こそ、大田区の街づくりのグランドデザインを考えるべきである。街づくりこそ、地方自治の基本である。ここにいらっしゃる理事者の皆さんが、家族に恥じない仕事をして下さることを望む。

 勢いに乗った質問を終え、控え室に戻ると、同室の荒木秀樹議員が『いいその場しのぎの質問だった。』と褒めてくれた。ヤバ!原稿も作らず、出たとこ勝負。ばれた?


 < 過去  INDEX  未来 >


いぬぶし秀一 [MAIL] [HOMEPAGE]
 
↑今日の日記は気に入りましたか?
My追加