2007年06月11日(月) |
名目だけの「環境保全」@洗足小池公園整備工事 |
現在、第2回定例会中で補正予算などの審査にあたっているが、その中のエポックに「仮称洗足小池公園整備工事」という請負契約があった。これは、以前釣堀だった「小池」を公園として整備する工事を1億9千万余りで行いたいというものだ。
この「池」は、永年釣堀業者が東京都から賃貸しており、いつの間にか「従業員住宅」まで作り、「住民」までいたものだ。その後、都が賃貸契約の更新を拒否。業者は賃貸料を供託し営業を続けていた。ところが、都が区に所有権を移管し、対応に苦慮した区は、業者に1億円を支払い、出て行ってもらった、という過去がある。
さて、公園として整備するにしても、釣堀として使用していたため、池底のヘドロがひどく悪臭もある。そこで、除去、分解、固化のいずれがいいかを「専門」の業者に検討させたところ、「固化」で実施することになった、というのだ。(提供された資料からは、最初から固化ありきと思われるが‥)
固化というのは、セメント系固化剤を1立方メートルあたり150kg噴霧してヘドロをコンクリート化して封じ込めてしまおう、というものだ。簡単に言えば、池をコンクリートのプールにする訳だ。しかし、この池には、多くの湧水があり、コンクリート化されれば、少なからず影響だでるだろう。
また、セメント化することにより、自然の水浄化能力は激減し、生態系にも多大の影響が懸念される。また、お役人は固化の理由に、釣り人が捨てた「鉛」をあげていたが、それこそ、固化されたヘドロから鉛が水中に染み出る危険があるだろう。
その点を、所管である環境保全課長に問うと、まちなみ整備課から問い合わせがあったので、セメント系固化剤には有害物質を含まないようにすること、固化後はph濃度に注意してから、生物を入れることなどを指導した、という。
つまり、正に「縦割りお役所仕事」の典型のようなケースである。以前、大規模再開発で、再開発課が「量販店」を誘致する計画を作ったことがあった。地元商店街の活性化を仕事とする、産業経済部と調整したのか、と聞けば「していない」という。再開発を成功させる、という再開発課のミッションとしては正しいが、区内産業育成というミッションをも持つ産業経済部との調整は、「区役所」としては、当然すべきだった。結果、量販店計画は頓挫したのだ。
今回も、プール状に池を作り、人工的公園を整備する、という「土木屋」の発想としては「固めちまえ!」という計画は正しい。しかし、自然を保護すべき、また、自然保護教育をすべき「区」の仕事としては、あまりにも乱暴である。環境保全課が主導的役割をはたして、周辺住民と巻き込み、時間をかえても自然負荷の少ない、「分解」や「除去」などの「根治療法」を行うべきである。
同僚議員が、再三指摘して所管課が出してきた(作ってきた!)、「ヘドロ改善方法の比較」なるA4一枚のペーパ-は、正に「最初から固化ありき」との結論を導きだすため、記述内容に論理的矛盾が散見され、子ども騙しのものだった。
業者任せの、予算作り、調査会社に「結論先にありきの」報告書作成依頼では、お役人は仕事が楽だが、何も変わらない。そのことに「民間」出身の区長さんは、早く気付かなければ、大田区の「青島幸男知事」になってしまう。
頑張れ!お引越しするお魚さんたち!
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