いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2007年05月18日(金) なんということだ!SAT警官死亡

 この国はいったいどうなってしまったのだ。路上に放置された負傷警官の映像が全国に流された。そして5時間後、やっとこの警官を救出したと思えば、若き精鋭のSAT隊員が銃撃で死亡。

 さらには、犯人の隙をついて自力で脱出した元妻が保護されてから、6時間もの間、急襲するでもなく、犯人が投降するという幕切れには、多くの国民が警察、特に愛知県警察への不信感を強めたことだろう。

 私は、戦場のことを、まったく関係ない平和な場で論評したり議論をすべきでない、と常々思っているので、あまり批判はしたくはない。現場には、その場にいたものでなければわからない様々な事情もあったのだろう。

 しかし、そのようなことを斟酌しても、今回の事件はあまりにも情けない。5時間も放置された警官は、その間何を思っていたのだろう。救助に来てくれない上司や仲間に落胆し、失望していたのではないか。たった一人の元暴力団員を29時間もの間逮捕できない、いったい警察とはなんだろうか。

 指揮にあたったエリート警察官僚が「事なかれ主義」に陥って、犯人を生きたまま確保、というセオリーのため決断が遅れたとも思える。また、SATと刑事部との連携にミスはなかっただろうか。

 5時間も放置するなら、強固な警察警備車両を進入させての救助や、陸上自衛隊の装甲車を「官庁間支援」名目で出動させることも可能だったはずだ。

 なんとも悔やまれ、情けない事件だ。北朝鮮拉致問題を例に出すまでもなく、この国は、いつから犯罪者の権利保護優先の国に成り下がったのだろうか。平和や自由、安全は、奪い取ってでも守るべきもので「待っていた」のでは実現しない。

 それにしても、殉職された林警部のお父上の言葉は、あまりにも凛としていて、かえって悲しかった。「他人を助けるのが職務なので、身内(負傷した警官)が助かったのはよかった。ご苦労様と言ってあげたい。」

 林警部のご冥福を心よりお祈りする。ありがとう。


 < 過去  INDEX  未来 >


いぬぶし秀一 [MAIL] [HOMEPAGE]
 
↑今日の日記は気に入りましたか?
My追加