いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2006年12月01日(金) 領収書を添付するかで大もめ@総務財政委員会

 何度も書いているが、議会の会派に支給される「政務調査費」というお金がある。このお金で、個人の車の車検に使ったり、カーナビを買ったりしたとして、目黒区議会議員が6名辞職した。品川ではキャバクラに使ったとして、返金する事例もあった。そこで、私を含む区議会議員13名で、領収書の写しを提出して、いつでも区民からの開示請求に応じられるようにしよう、との条例改正案を提出したのだ。

 今でも、領収書と収支明細を区議会事務局に提出して、チェックを受けているが、チェックが終わると領収書は各会派に戻されて、そこで保管する仕組みである。区民が開示請求をしても、収支明細は出てくるが、領収書は開示されない。これを添付しよう、という極々まともな、そして、たいした事務量もかからない提案である。

 今日は、この議案についての審査が総務財政委員会で行われた。所属する生活産業委員会が早く終わったので、傍聴した。傍聴席には、この問題に関心をよせる身障者団体の幹部の方がお二人、先に傍聴されていた。2名の委員が、この傍聴を別の議案の区施設のバリアフリーについてと勘違いしたようで、「この施設のバリアーフリーはどうなっているのか?」と、おべんちゃら質問をしていて、区の担当課長もわざわざ、傍聴者の団体名をあげて答弁していたのには苦笑してしまった。その件じゃないのよ、今日は。

 さて、委員会の各委員の態度は以下のようなものだ。はたして、どの意見が区民の感覚だろうか。

自民:現状の制度で充分透明性は担保できている。政務調査費を条例化した時に検討会を開いて議論した、という歴史的経緯もあるのだから、いいだろう。ましてや、来年4月から施行するなど、あまりにも拙速である。

公明:議会事務局でチェックしているのだから、まったく添付していない区よりはましで、中間的な存在である。他区の状況の資料を事務局から出してもらって、有識者の意見も聞いて、使途を含めて検討の場を作ろう。

民主:この流れ(領収書添付)に賛成である。なぜ、領収書をつけるだけのことがダメなのだろうか。

ネット:使途が云々言っているのではない。今、議会事務局に提出して返してもらっている領収書のコピ-を区民がいつでも見れるようにしよう、と言っているだけで何が問題なのか。なぜ、領収書の開示に有識者の意見が必要なのか。

共産:他区で事件もあり、区民の注目は高い。役所には、様々な開示請求があり、議会もそれに対応すべきである。より透明性を高めるために、この条例を制定しようではないか。他区の資料なら、先日の幹事長会で、事務局にあるようなことを言っていたから、それを出したらどうか。

議会事務局長(お役人):幹事長会と委員会をごっちゃにしないでくれ。今は、公明党の委員からの資料請求であり、共産党から指図されるのは筋違いである。

委員長(自民):意見もわかれており、資料請求もあったので、本日のところは継続ということで‥

ネット:なぜ、継続なのか?採決しようではないか。

 議会とは、本当に不思議なところだ。会社でも役所でも領収書を保存している。そして、特に、お役所は国から区市町村まで、その透明性を担保するために、そのほとんどを開示対象としているのだ。その、お役所をチェックすべき立場の議会が、この態度である。普通の区民の感覚では到底理解できない。

 傍聴されていたお二方が、激怒して区役所のエレベーターに乗られたのは、普通の区民の感情であろう。はたして、月曜日の委員会ではどうなるだろうか。

 経験則でいけば「より慎重に議論、検討すべき問題」との、もっともらしい理由が付されて、継続審査となり、来年4月の任期切れで「廃案」というのが、常套であろう。嗚呼!!!


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