いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2006年11月17日(金) 浅野史郎前宮城県知事来る

 大田区主催の環境・福祉展の催しとして、浅野史郎前宮城県知事の「みんな(団塊世代・シニア)と共に考えるやさしいまちづくりとは」と題した講演会が開催された。(主催:ひとにやさしいまちづくりを進める大田区民の会)

 浅野氏は、厚生官僚から、1993年前知事の汚職逮捕の後を受けて、知事選に挑戦。見事当選された。しかし、知事や首長の多選の弊害を「行政が腐敗し、陳腐化する」として、3期12年で、突然引退。現在は、慶応大学教授を務める。

 舞台から降りたり、演壇に寄りかかったり、さらには、べらんめい調で話したり、と聴衆をあきさせない工夫は、天性のものなのだろう。以下、気になった発言を記載する。

5000円の賃金しかもらえない障害者から、13000円もの負担を強いる障害者自立支援法は、とんでもない、という意見がある。そうじゃない。1ケ月働いて、5000円しかもらえないことが問題なのだ。

障害者の出来ない事を考えるのではなく、出来ることをやってもらう。そして、税を使う側から払う側になってもらうことが必要だ。それによって、自らに誇りを持ってもらうのだ。自分に誇りがもてなくて、なぜ国に誇りがもてるか。米国では、国防総省が、一番障害者を雇用している。国を守るという誇りある仕事を通じて、自らに誇りを持ってもらうということだ。

お役人の返事で「出きる限りご要望に沿うよう‥」というのは信用してはだめ。そのホンネは「予算の範囲で‥」「人員の範囲で‥」「制度の範囲で‥」ということだ。やれと言われているから、仕事をしているお役人が多い。お役人は、何かやろうとするとジャマをする。しかし、お役人がどうしようもない、と嘆いていても仕方ない。お役人に遊びに来てもらう、仲間になってもらうようにしないとダメ。まあ、そんなお役人は半分もいない。1/3だろう。であれば、3人に声をかければいい。1人が応じるかもしれない。

福祉とは、世直しである。地域の底力で福祉をささえる仕組みを作る⇒地域が変わる⇒国が変わる⇒国造り

 福島県、和歌山県、宮崎県と多選の知事の犯罪が白日にさらされている昨今。浅野前知事のあまりにもあっさりとした引き際は見事である。質問コーナーで「強い首長、弱い議会という構図をどう変えたらいいのか?」と質問しようと思ったが、演題の趣旨と違うのと「それは、あんたら議会次第だろう!」と返ってくるに違いないと思ったのでやめた。

 いささか気になったのは、終了後、何人かの区議会議員(私も)が、名刺を差し出し名前を名乗ったのだが、名刺を受け取るのは片手。自己紹介には「あ、そう」。ご本人の名刺は出さず。

 う〜ん‥やっぱり3期でも、ご本人が気付かないうちに「弊害」がでてるかも。


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