2006年11月05日(日) |
同じ書類が4ケ所からby大田区福祉事務所長 |
お役所仕事のノンビリさ、非効率さ、無駄遣いは、お役人にとっては「日常」であり、「当たり前」のことなのだろうが、民間側、納税者側から見ると、いかにもおかしな事が多すぎる。議員も長く勤めていると「あちら側」の論理に理解を示すようになる傾向があるので、注意が必要である。
さて、本日の「無駄遣い」は、11月1日付けで、大田区から区内医療機関、薬局等に発送されたA4一枚の文書である。発信人は「大田区福祉事務所長(保健福祉部長が兼務)」、内容は「生活保護法医療券・調剤券一斉発送日の変更について」という事務連絡である。
大田区は「より地域に密着した行政機構」とするために、区内を東西南北の4行政センターにわけ、それぞれにセンター長(部長級)を配置している。ところが「より地域に密着」するはずの、センター機能が、結局、本庁と協議するテマふえ、非効率になっている、との内部からの指摘もある。組織は、権限委譲をしたうえで、より簡単な組織図にすることが求められる。このセンター機能、どうも、部長職と課長職のポストが増えただけ、との感もある。
さて、些か横路にそれたが、前述の書類が、本庁の保健福祉部から各行政センターの生活福祉課に渡され、各センターから、一斉に発送されたからたまらない。まったく同じ書面、同じ発信人のものが4通、大田区中の医療機関・薬局に今日から明日にかけ到着し、心あるドクターの失笑をかうことになるのだ。ちなみに、毎月、似たような「生保がらみ」の同一の文章が、4つのセンターから同時に発送されているらしい。
以前、事務改善の事例として、区民へ郵送する書面を、普通郵便から「区内特別郵便」に変更した、との報告があった。これは、100通以上同一の郵便番号の郵便物をその局に持ち込むと、1通につき15円から30円程度割り引かれるものだ。大田区20万世帯に出す書類があったとすれば、500万円以上の節税になる。今まで、やっていなかったことは驚きだったが、まあ評価すべき工夫である。
が、だ。15円節約する事も重要だが、4センター共通の文書は、その医療機関や薬局の所在するセンターが担当する、とすれば、大変な郵送費、印刷代などが節約できるはずだ。今回の文書が、各センターから2000通出されたとしよう。1通65円とすれば、13万円。3センター分、39万円 分が、まったくの無駄だったことになる。毎月やってるとすれば、年額500万円近い額が、意味もなく費消されている。喜ぶのは、同じ公務員仲間の郵政公社さん。
工夫しようね!
(あるセンター長からの回答) これは、毎月医療機関などに送付する「生活保護連絡票」に封入したもので、「ついで」なので無駄遣いはしていない。「4ケ所から発送しているので重複する」という文章ぐらい入れてもよかったとは思う。
私:当該医療機関に確認したところ、今回の4通のうち、2通には「連絡票」が入っていたが、2通には、この文章だけだった。
(あるセンター長) 日頃、生活保護でおつきあいのある医療機関におくったのであろう。この医療機関は、○行政センターから出したから、出さなくてもいい、という選別をする手間と、ダブっても全部出すのと、どちらが効率的か、という問題だ。
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