2006年10月16日(月) |
大田議会平成17年度決算認定賛成?討論 |
改革110番は、ただ今上程されました、第87号議案平成17年度大田区一般会計歳入歳出決算及び第88号から92号にいたる各特別会計決算を認定することに賛成いたします。この際、今期4年間最後の決算認定にあたり、思いの一端と要望を申し述べたいと思います。
平成11年の初当選以来、8回の決算を認定してまいりましたが、その間に世の中は大きく変革し、我が国の経済状況も徐々にではありますが、好転の兆しが見えはじめ、区内においても、不動産バブル期を彷彿させるような土地取引が行われております。また、23区が基礎的自治体になり、地方分権一括法が施行され、いよいよ大田区が、国の出先機関から、国と対等の関係の自治体として再スタートをしたのも、つい先ごろのことであります。 個人的なことを申せば、平成13年9月11日、所謂セプテンバーイレブンによって、20年余り経営していた年商20億円の旅行会社を廃業するという大事件も発生いたしまいた。
このような、世の中の大きなうねりの中、何事もなく、ルーチンワークをこなしている別世界がお役所である、と感じているのは、私一人ではないと思います。区職員労働組合は、民間委託反対、勤務評定反対など時代遅れもはなはだしい要求をかかげ、管理職は、自己抑制を働かせ、特段新たな施策を提案することもなく、トップダウンの計画の後付け理由の作成にいそしむ、そんな構図が、大田区役所に蔓延しているとすれば問題です。
この定例会の最中、私が昭和52年に大田区に居を定めて以来の大恩人がお亡くなりになりました。ご遺体を前に号泣し、さらには、お骨を拾いながら、人生のはかなさを痛感いたしました。はたして、神は、私達人間に、いかなるミッションを与え給うたのか。
人の生きるミッション、私の、半世紀近い人生経験から、それは「人のために働く」ということである、と確信しております。世のあらゆる仕事には、貴賤はない。必ず、自分以外の誰かのためになっているはず、それが、人間の生きているミッションであります。
最近では、この「人のために生きる」ことを忘れ、もっぱら自らのために生きている人々が多くなったことは、誠に残念であり憂いるべき現象であります。自らの私腹を肥やした県知事兄弟、泥酔のうえナンパに行く途上、幼い子ども達を殺した公務員。自らの子どもを殺める親たち。さらには、教え子をイジメ、自殺に追い込む教員など、まさに「人のために生きる」ことを忘れた所業といわなければなりません。
はたして、大田区の職員のみなさんは、「人のために働いている」でしょうか。自己の生活のため、自分の所属する部署のため、さらには、上司のためのみに働いていないでしょうか。 また、人事の評価基準や、事業予算の査定が「区民のため」という、本来のミッションではなく、上司へのロイヤリテイや、組織内論理で決定されてはいないでしょうか。
一般質問、決算特別委員会において、私を含め多くの議員が問題点を指摘した、改正介護保険法、身障者自立支援法などは、その好例ではないでしょうか。担当事業課は問題点をよくわかっている。何をどうしたら、解決できるか、それもわかる。しかし、それには予算がいる。多分、企画でNOといわれるだろう、区長決定も無理だろう。そう考えたのかどうか、いずれの制度も国の制度をそのまま実施する、数少ない自治体になってしまいました。
また、教育現場についての他議員からの「荒れた学校は」との質疑に対し、教育委員会からの答弁は「1校報告があった」という、到底現実を直視しているとは思えないものでありました。学校から、すぐさま実態を包み隠さず報告する文化がない、又は、自己抑制している結果であると考えられます。
私は、決算特別委員会の中で、大田区職員の方々がインターネットに書き込んだ、いうなれば落書きをご披露いたしました。そこには、
トップや管理職の思いがわからない、管理職は自己保身で何もやらないし、新たな事業はみんな企画でつぶされてしまい、議論する雰囲気がない。議会は馴れ合いで区民の代弁者だとは思えない、など、厳しい指摘が書かれておりました。すべてを検証したわけではありませんが、多くの区職員から同様の意見がよせられております。
区職員は、区役所のことを「わが社」とよび、区長のことを「わが社の社長」と呼びます。 会社は、社長次第です。私が、永年経営した会社を廃業せざるを得なかったことは、同時多発テロが誘因ではありましたが、ウサマビンラデインのせいでも、小泉内閣のせいでも、世の中のせいでもありません。社長たる私の責任でありました。
どうか、見識経験豊かなわが社の社長や取締役の皆さんにおかれましては、社内にそのような声が多数あることを真摯に受けとめられ、いま一度、社内を見渡し、風通しの加減と、事業課と企画の関係、また人事評価の方法など、精査されることを望みます。
また、馴れ合いと書かれた社外取締役会たるわれわれ議会も、自己改革を図っていかねばなりません。私もよく居眠りをいたしますが、議員が発言している中、熟睡されている理事者がこのようにいる現実は、そう言われてもやむをえないことでしょう。 幸い、今後、議長のもとに、地方自治法改正に伴う、議会制度の検討会が設置されるとのこと、二元代表制本来の姿に戻るための検討を大いに期待するところであります。
そして、議会も各事業課も、常に顧客たる区民のニーズを把握し、自由に議論をし、タイムリーな施策の実施と独自の視点を持てるようにならなければ、時代に取り残されてしまうでしょう。
区民がいつでも、安心して気軽に相談できる区役所には、いつも優しく笑顔の職員がいる、周辺自治体に比較して、格段に暮らしやすい大田区。牧歌的ではありますが、そんな、まちづくりを残り5ケ月間に大いに期待して、私の賛成討論といたします。
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