いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2006年06月24日(土) 実るほど、返事が早い男かな〜

 実るほど頭を垂れる稲穂かな、という格言がある。偉くなればなるほど、腰が低くなる人格者のことを言っているのだろうし、そうなれと警鐘を鳴らしているのだろう。

 自由党時代は、国会議員より区議会議員のほうが少なかったので、ずいぶんと有名なセンセイ方に直に接して、この言葉を痛感した。人間、やはり自分では、そう思っていなくても、偉くなると稲穂のようにはいかなくなるらしい。その頭が垂れない「稲穂」の中にあって、小沢党首(当時)と藤井幹事長(当時、元大蔵大臣)はすばらしかった。お二人とも、実に腰が低かった。

 企業経営者でも、本物はやはり腰が低い。相手もこちらを知っているであろう有名人。アサヒビールの中條高徳顧問(元副社長)。恐縮するほど、ご丁寧な方だ。大井町のカラオケで軍歌をご一緒に歌ってから、すっかりファンになった。

 また、レスポンスが早いのも、これらの人々の特徴である。残念ながら、若い人々や女性の多くは「返事、報告」がヘタである。(←くれぐれも私が感じただけ)なしのつぶて、というケースが多い。そして、彼らは、自分の中に理由をつけて言い訳をしている。だって、忙しかったから…

 さらには、中小企業の経営者の中にも、レスポンス(ご返事)ベタが多い。ある経営者団体、それも経営の勉強会の事務局をつとめたことがある。
FAXで、出欠確認をすると、必ず期日までに返答するグループ。遅れて返事するグループ。返事もせずに当日必ずくるグループ。出席と書いてきて、必ず当日理由をつけて来ないグループ、と明確にわけられるのだ。期日までに返答を下さるグループ以外の理由は、みな、忙しいから、だ。

 その後は、追跡していないが、社長がこれでは、きっと企業の業績にも影響しているのではないだろうか。

 ところが、忙しい人ほどレスポンスがいいのが、頂点を極めた「稲穂」たちである。

 誰もが知っている大手外食産業のCEO(最高経営責任者)のYさんとは、何度かパーテイなどでお話をして、お知り合いと言ってもいいと思う。ある日、このチェーンが新たに作った新業態のお店に食事に行った。

 恐ろしいほど、気持ちのいい接客をする従業員、それを指示するさっそうとした店長の姿に、料理の味などほったからして感動した。さっそくFAXでYさんに、感動した、という事実をお知らせした。

 ところが、それから1週間何も返事がなかった。別に返事が欲しかった訳ではないが、ちょっぴり寂しかった。なんだ、やっぱり相手にしてもらってなかったんだ、と。

 すると、1週間後、速達が届いた。Yさんからである。達筆な文字で以下のように記されていた。海外出張で今日FAXを見た。申し訳なかった。さっそく担当店長に直接褒めたところ、大変喜んでいた。これからも、良し悪しを問わずぜひ教えて欲しい。と。益々、このチェーン店が好きになった。

 もう一人、カトキチの加藤義和社長。あの冷凍食品大メーカーの創業社長で、元市長さん。そんな偉い方だが、実に腰が低い。そして、お会いして、すぐにお葉書を頂いてしまった。2度目にお会いした時には、名刺のウラに成功の秘訣を書いてくださった。

知行合一(知っていることと行いを同じにすること)

 誰でも、返事や報告は早いほうがいい、と知っている。でも、なんだかんだと理由をつけて遅れてしまったり、不義理をする。

 私自身も心したい。


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