いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2006年03月27日(月) 市民参加の論点by福島大学今井教授

 昨日は、早朝、神奈川大学小山教授の『使命(ミッション)』の講義を、そして、午後からは、区民団体主催で、区役所2階で開催された福島大学今井照教授の『市民参加の論点』の講義を聴講した。面白かったのは、座席である。早朝は指定席で、講師の目前。午後からは、自ら、講師の目前を選んだ。

 今井教授は、実は8年迄は大田区の管理職だった方だ。通称官房系(企画財政部門)にいたころに、執行部と確執があり転身されたらしい。私流の勝手なセグメントだが、大田区役所では、浪花節派とアカデミック派(理論派)のどちらが、重用されるか、前者である。まあ、仕事を円滑にすすめるためには『好きな人間』で固めるのは、リーダーとしてまんざら悪い技法ではないともいえる。

 教授の第一声が興味深い。曰く、大田区役所で『市民参加』が語れるとは、感慨深い。大田区もここまで来たか、という感がある。と。

 いくつかの問題点を提示されたが、わかりやすい例示をいくつかピックアップする。

市民参加経験者の悩み
*議会がいい顔をしない。
*役所が仕事を市民にやらせようとしている。
*市民同士が合意できない。
*市民参加で決めても首長が変えてしまう。
職員の悩み
*市民参加を呼びかけても、市民の反応がない。
*参加するのは、いつも同じ人たちばかりだ。
*市民の視野が狭くて自分のことばかり主張する。
協働担当者の悩み
*上司の指示⇒『まずは市民と行政の役割分担を決めてから‥』
役割から、市民と決定すべきだろう。

市民参加は、役所を変えることであって、役所が温存されていて、その『外部』に市民参加がある、ということはない。

『全市民の総参加』が理想状態ではない。漠然とした『市民』としての集合意志というものはない。

 最後に、『大田区の市民参加レベルは?』との、厳しい質問には以下のように答えられた。

大田区においては、市民が役所を鍛えていない。

 名言である。ついでに言えば、区民が議会を、議会が役所を鍛えていない、と付け加えたい。質疑応答の時間、何度手を挙げようかと悩んだが、『市民参加』の講演会で議員がでしゃばるべきではない、と必死の思いで耐え忍んだ。

 事務局、運営にあたられた皆さん、ご苦労様、ありがとう。

 


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