今日、日曜日はたまたま、朝と午後、大学教授の講演会を2件聞いた。1件目は早朝7時から、鶴見倫理法人会(文部科学省所管公益法人)主催のモーニングセミナ−を聞きに、会場である曹洞宗大本山総持寺に出かけた。名前と場所は知っていたが、実際に行くのは初めて。その境内の広さと、きれいさ、壮大さに圧倒されてしまった。(倫理法人会と曹洞宗とは無関係。たまたま会場を借用しただけ)
こちらの講師は、色々な場面でご一緒する、神奈川大学経済学部小山和伸教授である。大学での講義は『マジメ』で面白くなかったが(失礼!)、学外での講演や著書は、別人のように面白い。そして、なぜか、講師の目の前、最前列に私の席が用意されていた。
きょうは、『カイコの繭を生み出だすが如く』とのテーマで話された。これは、人や会社の使命を繭になぞらえてである。日曜日の早朝にもかかわらず、403人の経営者が絶妙な講演に魅了された。講演の趣旨は以下。
カイコ本人の使命は、繭を作り早く蛾になることだ。しかし、その前に煮られて、きれいな糸なる。実は、この『糸になる』ことが、本当の使命だ。石炭を山のように積んで走る蒸気機関車は、一見『石炭を積むこと』が使命のようだが、実際にはそうではない。馬車馬が、人や荷物を乗せて、次の中継地まで走る。中継地には、おいしい馬草がある。それを目指して走る馬の使命は、実は草を食べることではない。
生物学者に『生物の生きる目的』を問えば、きっと『個体の維持と種の保存』と答えるだろう。だとしても、人の使命はそうではない。企業も、『利潤をあげること』が、一見使命のようだが、そんなことではないはずだ。もし、利潤をあげることが使命だと思っている経営者がいれば、それは、カイコの蛾になることと、馬車馬の馬草が使命と同様のことだ。人も企業も、自らの使命を熟慮して、もっと高いもの、理念の実現にあたるべきである。
そして、最後に、
今日、官が公の精神を失っているので、民に任せるしかない日本を変えねば、と結ばれた。(拍手喝さい!)
(二件目の講演は、明日の日記に書く)
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