いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2006年03月02日(木) 平成18年第一回定例会 一般質問

民主・自由・未来の犬伏秀一でございます。

今回の質問の大きなテーマは、法令違反であります。公務員の行為、行動は法令に基づいておこなわれるはずなのですが、残念ながら、長い間の慣行がいつのまにか法令を超越しているケースがあるのです。

先日私は、たまたま17時10分ごろに、本庁舎1階におりましたが、17時13分すなわち退庁時間の数分前から、区職員がゾロゾロ帰り始めるのです。そして、その数は17時15分になると、途端に多くなる。17時15分に玄関を出るということは、自席を離れたのは、数分前と予想されます。そこで、職員課長に通報をいたしましたところ、全部局に退庁時間適正化を通達されたのです。ところが、その後も、この17時15分に玄関を出る集団は減らず、再度注意を促したところ、職員課長と副参事が玄関前で「帰るな」と庁舎内に戻す、というような信じられない、小学校のような行為がおこなわれたのであります。戻れ、と言わなければいけない課長、副参事の心中、そして、おずおずと庁舎内に戻る職員の姿、あまりにも情けないではありませんか。このような実態を前提に質問に移ります。

まず最初のケースは、大田区職員、もちろん、ここに座っていらっしゃる理事者の皆さんも含め、先ほどおとりになった昼の休憩時間が条例や規則違反であるという点であります。
区職員の昼の休憩時間を定める法令は、労働基準法第34条労働時間6時間を超える場合は45分、8時間を超える場合は1時間の休憩時間をあたえなければならない、との規定が根拠となっているのです。さらには、職員の勤務時間・休憩時間に関する規程第3条において具体的に休憩時間は、正午より午後零時45分までと定められております。区職員の勤務時間は朝8時30分から午後5時15分までの拘束8時間45分ですので、休憩時間45分をひくと労働時間は8時間となり、週40時間労働を定めた条例の規定とも合致するようになっております。ところが、実際には、本日理事者の皆さんがおとりになった昼休みのように、12時から13時の1時間が、慣行として永年にわたり取得されてきたのです。すなわち12時45分から13時までの15分間は、条例や規則に定められていない、言うなれば「ヤミ休憩時間」なのです。

職員1人が毎日15分づつ仕事をしないとなると、週40時間労働を基準に作成されている給与自体も問題となります。職員一人あたりの15分の時給は平均875円。これに開庁日数248日から有給休暇20日を差し引いた実出勤日数228日をかけると、一人あたり年間199500円分多く給与を支給されていることになり、区職員数5300人を掛けると、なんと年間10億5375万円もの税金が、不当に支給されているという大変な事態が毎日あたりまえのようにおこなわれているのです。

私は、蒲田周辺の昼食事情を考慮した場合、45分の昼休みというのは現実的ではないと思っておりますが、であれば実態に条例や規則をあわせるべきであります。
そこで、心ある大田区職員が、昼休み取得のたびに「規則違反を犯している」という後ろめたさを感じないためにも、昼の休憩時間を12時から13時の1時間に改めるべきであります。しかし、とすると、労働時間が7時間45分となり、週40時間労働にならなくなる、という問題がおきます。であれば、現行17時15分の退庁時間を17時30分とし、窓口業務などの終了を17時から15分遅くすれば区民サービス向上にも資するのではないでしょうか。そして、先ほど指摘した「早帰り職員」もとりあえず、15分は長くデスクに座っていることになりますし、8億円を超える超過勤務手当のいくらかは削減できるかもしれないのであります。
違法な昼の休憩時間取得について、今後どのようにされるのか、お考えをお示しください。

次は、学校における規則違反についておうかがいいたします。私は、以前より学校は「規則破りのデパート」であると指摘してまいりました。事例をあげて再三指摘をして相当改善をされてまいりましたが、まだまだ現場では「インチキ」が残っているようであります。規則を教えるべき学校、教員が「規則を破る」ようでは、まともな教育は望めないのであります。
大田区に勤務する教員は、原則として自家用車による通勤が認められておりません。このことは、以前、各学校をまわり、教員の車両を確認し、学校長に注意を促し、相当減ったのですが、又最近、懲りない面々が現れてまいりました。
ある大森地区の中学校では、副校長が5年間にわたり自家用車通勤を続けており、同校の体育科教員は現在も、バイク通勤を継続しております。このことは、当該校の校長に確認をしておりますので、事実であると断言できます。本来、規則に基づけば、自家用車通勤、バイク通勤はできないのですが、100歩譲って、許可したのであれば、通勤定期代は支給根拠を失い、反対に公有地の駐車場としての占有使用料を支払わなければなりません。
私は本件学校や教員個人をやりだまにあげたいのではありません。社会常識の欠落した学校、教員の自省を求めたいのです。世の中、ライブドア事件や東横イン、姉歯事件など「バレなければいい」という風潮が顕著であります。だからこそ、学校現場だけでも、まともになって欲しいのです。全学校における実態調査を要求し、当該教員からは、時効分を除き、通勤手当の返還をさせるべきと考えますがいかがでしょうか。

『続いて、学校現場、教育委員会の笑い話をご披露いたします。先日ある学校において周年行事が行われました。そこで、来賓の席次を挨拶順に決定したのですが、それを事前に見た指導主事が、自分たちの席が末席であることを指摘。「教育長と我々は、同一。隣同士にせよ」と迫ったのですが、PTA学校側の反発で撤回されたのです。さらに、同じ学校で、プログラム印刷後に、招待する予定ではなかった相当古い時代の校長から「出席したい」との要望があり、プログラムをPTAの方々が印刷をしなおし、追加の紙代6000円余りを学校長が支払ったのです。いずれの話も、一般社会、民間で話せば笑い話でありますが、学校や教育委員会においては、実に真剣な話なのです。実際に、この話を聞いた、別の学校では、周年行事における指導主事の席を急遽教育長と並べて、おしかりを受けなかったそうです。

また、周年行事やPTAを交えた、アルコールの出る会合において、教育委員会幹部によるある種の行動は、区内各学校職員、PTAの間において「公然の秘密」として話題となっております。茶目っ気と誤解の産物であると思われますが、ご本人の名誉のためにも、誤解を受けることのないよう行動されるようあえて苦言を呈します。』

(以上『』内は、時間切れのため、議場では発言できなかった。)

最後に、区内において全国的に有名になった二つの事件、すなわち、耐震偽装問題、そして東横イン事件のうち、東横イン事件についておうかがいいたします。国土交通省はは東横イン122施設中64施設につき旅館業法施行規則違反など法令違反があったと発表し、関係自治体に対して、3月末まで是正工事を完了させるよう指示を出し、期限までに是正されない場合は理由を明示させ刑事告発も検討せよ、と厳正な対処を要請しております。ところが、区では、昨日の区長の答弁や所管委員会での報告でも明らかなように、6月末までに是正するとの東横インからの宣約書が出ている、とのことで終わっております。
なぜでしょうか。

一昨年、区内の違法増築物件に対し、区は行政代執行実行寸前までいったことがあります。ところが、直前に所有者から「自ら撤去するので待ってくれ」との期限付き宣約書をとりつけたとの理由で代執行を中止いたしました。それから1年以上。私は酔っ払って帰るたびにこの物件の違法増築部分を見るのですが、コウコウと明かりがついており、ライフラインは即日撤去する、という宣約書がウソであることが認められますが、特段、区が行動したとの報告はありません。反面、別の建築中の違法物件では、工務店や施主が建築調整課の求めに応じ、素直に出頭したものですから、違法部分の相当部分を撤去することになりました。この件では、施主、工務店不在を理由に協議中にもかかわらず「違法物件」との貼り紙を貼り付けて帰る、という強行処置までしているのです。

このようなケースを見ると、大田区は、強い者には弱腰で、弱い者には強く出る、と思われても致し方ないのではないでしょうか。
ヒューザーについても同様のことが言えるでしょう。国土交通省の刑事告発せよ、との指示にも区は応じていませんし、小嶋社長は、損害賠償を訴えた18自治体の中に大田区を含めておりません。小嶋社長は久が原在住。最初の社屋も大田区内。そして、あの強面です。東横インの西田社長も、区内で電設会社から東横インを創業され、ご親族は現役町会長さんでもあります。いずれも、強い者には弱腰の原則が適用された結果なのでしょうか。
東横インの是正期限を国土交通省の定めた期限より3ケ月も延長を許した理由、刑事告発をしない理由をお示しください。

また、東横イン事件を受け、各自治体ではハートビル法違反の実態調査に乗り出しております。熊本県及び、熊本市、八代市では先月、東横イン以外のハートビル法の対象となる66施設に立ち入り調査を行い、公衆浴場、パチンコ店、老人ホームなどに違反を確認し是正を指示いたしました。区内には東横イン以外にも、ハートビル法、旅館業法施行規則の対象となる施設が多くあると思われますが、これらの対象施設数、そして、これらに対し調査点検する予定があるのか、ない場合はその理由をお示しください。

区職員、教員などが法令を遵守することは、納税者との信頼関係の第一歩であることを全職員が今一度再確認され、姉歯事件、東横イン事件など悪質な者には毅然とした対応と、責任の所在の究明、原因によっては大田区の謝罪をも辞さない潔さを求めるものであります。世の中には「想定外」の出来事が数多くあります。ルーチンではない場面における対応で、その人、その組織の真価が問われます。大田区が今まさに真価を問われております。各級職員のご奮闘をお願いして質問を終わります。


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