2005年11月18日(金) |
生活保護費の地方移管に思う@健康福祉委員会 |
今日は、区議会健康福祉委員会である。余り大きな案件はなかったが、興味深いのは、生活保護費の国庫負担減額をやめろ、という都知事、区長会、市長会の厚生労働省への意見書だ。
生活保護は、憲法に保障された「最低限の生活」を国が保障する制度で、その費用は国庫で賄われている。これを、地方(都道府県、区市町村)に負担させようというのが、厚生労働省の思惑である。
これに対抗し、東京都などは、厚生労働省に「月次の生活保護世帯数」などの報告を停止することにした。
厚生労働省の役人(いや、役人は概ねそうだ!)が、長期的に物事を考えず、小手先で失策を誤魔化すのは常套である。身障者自立支援法という、「身障者の自立を阻害する法律」が、来年4月から施行されるが、これなども、厚労省が「何も考えずに」障害者に支援した結果、財政が破綻した失策のつけを「受益者負担」という大義で逃げようというものだ。
さて、生活保護費も「自立を支援する」か「阻害する」か、といえば、働く意欲と能力のある被保護者にとっては「意欲をなくす」制度ではないだろうか。中途半端な給与をもらうならば、生活保護のほうが見入りが多い、ということもある。結果、生活保護費がうなぎのぼりになり、金がおいつかないので、地方で払ってくれ、ということになる。
本来、働けない人々への最低保障である制度が、働けるこれど働かない人の支援制度になっているとしたら、人の人生に対する冒涜ですらある。雇用保険の普及により、失業率が増加したという話もあり、制度の適正な運用をせず、その財源だけを付け替える「小手先」は、断じて許せない。
|