2005年11月17日(木) |
感動!感動!和光市長寿あんしん課視察 |
今日は、区内の介護事業者さんから「素晴らしいお役人が和光市にいる」とのご紹介で、超党派の区議会議員5名で、埼玉県和光市長寿あんしん課にでかけた。
広々とした市役所に到着すると、いきなり会議室に通された。いったいどうなるのか、議員5名も同行した紹介者もわからず、会議室でおこなわれたいるミイテイングを傍聴した。
その会合は「食の自立支援コミュニテイケア会議」というものだと、着席して随分たってから知った。食事から自立を促すため、対象者(高齢者)の担当ケアマネが「配食アセスメント」と呼ばれる報告書に基づいて現状を報告し、それに参加者がアドバイスを与え、今後の介護を変更しすすめる、という会議だ。出席者は、今回の視察の目的である、同課の統括主査、課職員、ケアマネ、配食業者、在宅介護支援センター職員、栄養士、歯科医師、医療機関などでる。
司会進行をする統括主査は、ケアマネの報告について、その報告手法、アセスメントの記入要領まで的確に不備を指摘する。ある案件について、参加者を指名したところ、指名された若い女性が「特にありません」と答えた。彼は激怒して「自分だったらどうするか、何が問題なのか、色々あるだろう。何もないとはなんだ!」と叱責した。会議に緊張感がはしる。どうせ、役所の会議なんてつまらないものだろう、と入室のとき思った自分が申し訳なかった。参加者に配られたものと同じ資料を黒塗りなしで、我々にも配布された。個人名・住環境・生年月日・介護状況など、イニシャルや黒塗りでは理解できないだろう、との彼の配慮だった。同じことを大田区でやったら、「個人情報保護」の名のもとに、個人別資料はもらえないだろう。
約1時間のミイ-テイング傍聴の後、彼のミニ講演を拝聴した。感動した点などを列記する。
和光市は月額300円の介護保険料負担増で、市町村特別給付事業をおこない、他市町村より、メニューが10も多い。 特別養護老人ホーム入所者は、全市で55人である。居宅介護率88% 健康基本診査などやっても医師会に金がながれるだけで、なんの改善策にもなっていない。 介護保険こそ地方分権の試金石である。 北海道の町と和光市や大田区が同じ制度、法律で出来るわけがない。 役所だから介護事業者と距離をおくなどとは、とんでもない。距離を置くべきは建設課だ。 和光市の全高齢者への調査を平成13年から実施し、95%の高齢者のデーターを確保した。 民生委員はプライドだけで頼りにならない。 ダメなケアマネはすぐ「利用者本位」と言い訳する。 リーダーシップとは、熱意を持って共感させて指導すること。ヘッドシップとは、位置づけられた地位や権限によって指導すること。我々はリーダーシップを発揮しなければいけない。
まだまだ書ききれないほどの感動を頂いた。この主査の行動により、高齢者にかかわる課は、ひとつに統合され、高齢者の介護度は年々さがっている。さらには、介護予防ヘルパーの養成を無料で市が行うという。「主査の属人的な努力でできたもので、転勤されたらどうするか」と質問したら、「私は転勤しませんし、したとしても部下が育っています」と明確な回答がかえってきた。
とても勉強になる視察だった。この感動をどのように大田区のお役人に伝えるか、それが課題である。返ってくる回答はわかりきっている。 「和光市とは人口、財政規模が違います」ヘッドシップのお役人の模範解答である。
頑張れ和光市!
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