2005年05月10日(火) |
お粗末な自衛隊の連絡網 |
誰でも、出身母体の団体やら官庁、会社、学校などには愛着があり、些かの問題であれば、勘弁する、というのが世の中の掟だろうが私は、「掟やぶり」が好きだ。防衛庁、自衛隊は若き日に学校教育と生活の安定を保障してくれた恩人である。自己の生命を賭して、国民の生命財産を守る全国24万人の自衛官の皆さんには、同志として又、国民として尊敬感謝の念を抱いている。
であったとしても、今回の「事件」は許せんことだった。7月に区内の中小企業団体が80名ほどで、静岡県御殿場に所在する、陸上自衛隊富士学校を研修したい、との相談があった。私が予備自衛官でもあり、大田区自衛隊協力会の理事であることを知っての幹事役からの相談である。
さっそく、2月頃に地元の、自衛隊東京地方連絡部大田出張所に申し込んだ。4月になって何度となく「まだですか?」と回答を要求したが、「調整中」との返事。流石に今日は5月である。3ケ月は長すぎる。直接、富士学校の広報に電話をいれた。すると、「その日は、創立記念行事準備で、各地方連絡部には見学できない旨随分前から連絡済みです。」と。
止む無く、規則破り(部隊への直接の問い合わせ、連絡)をして、近隣の部隊の広報に「そのうち、地方連絡部から依頼があると思うが、7月○日見学に行きます」と、「事前調整」をして、大田事務所にその旨連絡した。
この話しは、大田出張所⇒城南地区隊本部(新橋)⇒東京地方連絡部広報室⇒ 研修部隊というルートで流れ、逆のルートで「回答」が戻るのだが、どこかで「情報」が停滞しているのだろう。
まあ、たかだか「研修」だからいいが、組織の弱点は意外にも「本業」以外のところででてくるものだ。わが国有事の際に、このような連絡ミスがおこらないよう願ってやまない。
そういえば、以前に鹿児島沖に不審船が出没した際、写真が総理大臣に届くまでに12時間もかかったことがあった。海上自衛隊の対潜哨戒機の送信能力にも問題があったが、最も問題だったのが、その後の連絡体制だった。誰が上級部隊や、官邸に情報をあげるかの議論に数時間を費やしていたというのだ。
頑張れ自衛隊!北の脅威にMDで対抗しても、運用するのは人だ。人は日々の業務の中で「鍛えて」いかねばならない。
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