2005年01月18日(火) |
お役所には「相殺」という考え方はありません! |
区内の病院関係者から嘆きの電話があった。「200万円も役所に取られたら、運転資金に困ってしまう」とのこと。詳しく事情をうかがうため区役所でお会いした。事情はいかのようなものである。
独居老人のAさんは、長い間この病院に入院をされていて、老人保健法による医療費の減額を受け、自己負担は医療費の10%だった。ところが、医療費捻出のためか、不動産を売却していささかの収入があったため、8月から自己負担率が20%になった。
区役所は、この20%と書かれた医療証を、7月頃、入院中の「独居老人」の自宅に送った。当然、この医療証は、ご本人は受け取れない。病院は、8月以降も10%の負担率でレセプト(診療報酬明細書)を作成して大田区に請求していた。
これに気づいた大田区は、8月以降の支払い分を病院から区に全額返させ、再度、適正な負担率で請求しなおせ、と指導した。ところが、Aさんは相当な医療費だったようで、返金すべき月額は50万円にもなり、総額200万円を病院は返金しなければならない。そこで、困った病院は区に懇願して、毎月1ケ月分ずつ返金、請求をする、ということで落ち着いたそうだ。
ところが、この1月にAさんはかえらぬ人となってしまったのだ。すると、相続などの問題もあり、自己負担分を含め一括で清算する必要が生じた。といって、小規模医療機関にとって、200万の返済は厳しいだろう。
そこで、担当課長に直談判をして改善方を申し入れた。要するに、200万の医療費のうち、正しい自己負担は40万円(20%)、すでに支払った自己負担は20万円(10%)、その差額20万円を大田区がもらえれば話は簡単なはずだ。
つまり、ご遺族に20万円を払ってもらって、レセプトは大田区の役所内で「相殺処理」をすればいいだけだろう。ところが、これは、民間の発想。お役所はそうもいかないらしい。そんな簡単にしてしまうと、あれだけ多くの職員に仕事がなくなってしまうからか…
嗚呼、お役所仕事よ! 課長さん、助けてあげてね。
[お詫び] 昨日あたりから、掲示板にエラー表示が出ます。サイバーテロなのか、現在調査中です。
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