いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2004年12月04日(土) お役所に納品する場合は、ネジ一本まで品番と価格を書け?

 お役所には、民間では考えられないような『掟』や、『仕事のための仕事』がある。ご当人たちは、至極真面目にやっているのだが、外から見ると『笑い話』のようなことがいくらでもある。9月16日に、救急車に乗れない介護ヘルパーの話を書いたが、今回も介護保険の『笑い話』をひとつ。

 知り合いの一級設計士から『犬伏さん、頭きたんで聞いてよ!』と、電話がかかって来た。さっそく、地元の喫茶店で待ち合わせて話しを聞く。まわりにいた町会役員も『なんだ!なんだ!』と、聞き耳をたてていた。

 その方の怒りは以下のようなものである。
(事実関係は、私が看護師に直接電話して確認済)

介護保険の住宅改修制度を利用して、高齢者のお風呂の改修工事を請け負った。その工事見積書を在宅支援センター(ある社会福祉法人が受託)に提出したところ、業者イジメのような指導を受けた。

入浴が楽になるような手すりをつけるので、手すり一式いくらいくら、と記載して出したのだが、担当の職員(看護師)は『手すりを取り付ける金具など、すべての品番と単価を書け』と指導した。さらに、風呂について『UB一式』と書いたところ『UBってなんのこと?』と、ド素人のような質問をされた。『UBとは、ユニットバスのことです』と、教えると『では、浴室と書け』と。

 この設計士さんの怒りは、二点ある。一点は、金具の品番と単価を書かせる意味がない。意味のないことに時間を費やしても、しょうがない。ちなみに、大田区が配っている記載例には『手すり 木製(金具SUS)』と書いてある。

 二点目の怒りは、UBという業界では一般的な言葉も知らない(又は、勉強していない)者に、『品番』がわかるのか。これまた、大田区の記載例には、『壁(PB)』とか、『金物OS塗装』など、UBより素人にはわかりにくい言葉が『記載例』として書かれているのだが…

 まあ、おかしな対応である。この看護師さんの論法によれば、大田区は自家用車を購入するにあたり、何万点もの部品すべての品番、価格を提出させていることになる。お役所の仕事というのは、本当に大変なんだな〜。

 もうひとつの問題は、この対応をしたのが、『社会福祉法人』である点だ。民間に、お役所の仕事を任せた場合、変な『権力意識』を持つ場合がままある。つまり、本来の趣旨とかけはなれた『指導』を、勘違いしながら『お役所の寅の衣』を借りてやってしまう。

 さて、管理している担当課長さんは、どのような回答をくれるか。
乞う、ご期待!

(後日追記)
12月6日11時02分に、大田区介護保険課長より回答があった。

手すりなどについては、品番は不要である。手すり一式、工賃と別に書くだけでかまわない。UBなどの記載もかまわない。担当者には指導する。


12月6日11時50分
『指導した職員(看護師)』に電話して、『大田区から電話で指導された?』と聞くと、聞いていない、との返事。さっそく、内容を伝え、このHPを見るように伝えた。お役所は、電話一本するにも大変なんだ。ご苦労さん!



 < 過去  INDEX  未来 >


いぬぶし秀一 [MAIL] [HOMEPAGE]
 
↑今日の日記は気に入りましたか?
My追加